2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規に同定した3つの本態性高血圧の疾患感受性遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
20390239
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梅村 敏 Yokohama City University, 医学研究科, 教授 (00128589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪子 英俊 東海大学, 分子生命科学, 教授 (10101932)
岡 晃 東海大学, 分子生命科学, 准教授 (80384866)
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
平和 伸仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター・血液浄化室, 准教授 (20315766)
谷津 圭介 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター・腎臓内科, 助教 (10457856)
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Keywords | 本態性高血圧 / ゲノム多型 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
我々が本態性高血圧症に対してマイクロサテライト多型を用いたゲノムワイド相関解析を行い、新規感受性候補領域として19か所同定した。その中でも特に興味深い3つの遺伝子(LPIN1,SMOC2,XRCC5)に関して機能解析を予定した。本研究の目的は3つの遺伝子が本態性高血圧症の感受性遺伝子であることを証明することである。2008年度は、同定した3つの本態性高血圧に対する疾患感受性遺伝子の機能解析の一部を行った。 (1)3つの遺伝子に関して、前向きコホート集団約2200人での遺伝子タイピングならびに遺伝統計学的解析を行った。前向きコホート集団でのゲノム多型を診療情報としたデータベースの構築を行っている。特定の感受性アリルが血圧値に影響を与えたことを、日本腎臓学会総会ならびに日本高血圧学会で報告した。 (2)内分泌臓器としての脂肪組織に着目しヒト内臓脂肪での遺伝子発現量を測定することを計画した。脂肪組織を外科的手術にて採取した。脂肪細胞の保存方法ならびにRNA化する際の最適な条件検討を行い、プロトコールを作成した。平成21年5月8日現在、38検体収集しDNA抽出ならびにRNA抽出を行った。 (3)LPIN1遺伝子のノックアウトマウスであるfldマウスの飼育を行い、繁殖により安定した個体数の確保を行い、その表現型の解析としてtail-cuff法による非観血的血圧測定をした。ノックアウトマウス11匹と対照群21匹に対し、異なる週齢でtail-cuff法で2〜5回血圧測定、平均値をそのマウスのデータとした。収縮期血圧に関して、ノックアウトマウス群は平均126mmHg、対照群は112mmHgとP値0.01以下と有意差を認めた。今後、更に個体数を確保した段階で、カテーテル挿入によるテレメトリー式の観血的血圧測定法や各臓器の病理学的解析を予定している。平成21年度以降は、上記3つの遺伝子に対して感受性アリル・感受性ハプロタイプの確定、ヒト脂肪検体での遺伝子発現量を測定し発現量を感受性アリルの関連を解析する。さらにコホート集団でのゲノム多型を診療情報とし毎年追加される臨床情報と併せてデータベースの構築を完成させる。
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Research Products
(4 results)