2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規に同定した3つの本態性高血圧の疾患感受性遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
20390239
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梅村 敏 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00128589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
岡 晃 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (80384866)
谷津 圭介 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 助教 (10457856)
田村 功一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40285143)
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Keywords | 本態性高血圧 / ゲノム多型 / バイオインフォマティクス / ノックアウトマウス / 遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
2万個のマイクロサテライトマーカーを用いて、ゲノムワイド関連解析を行い19個の新規高血圧感受性遺伝子を特定し報告した。その中でodds比1.54を得たLPIN1遺伝子は、以前よりインスリン抵抗性や内臓脂肪での発現などメタボリックシンドロームとの関連がみられている。同遺伝子が高血圧に関与する報告は世界で初めてであり、ヒト内臓脂肪組織での発現を調べることで、その他の遺伝子との関連や成因の検討を行った。 横浜市立大学附属病院において全身麻酔下での手術を行った患者さんから得た資料で、内臓脂肪ならびに皮下脂肪の一部を採取した。LPIN1遺伝子以外に脂肪細胞でインスリン抵抗性やメタボリックシンドロームに関与していると報告されている、アンジオテンシノーゲン遺伝子(AGT),PPARγ遺伝子(PPARG),アディポネクチンに関する遺伝子(ADIPOQ,ADIPOR1,ADIPOR2)も遺伝子発現を定量した。高血圧として加療中の高血圧群と正常血圧群の2群に分類して、血圧値や種々の採血データ、身体所見を比較した。今回の脂肪細胞の解析から、LPIN1遺伝子がアディポサイトカインと関連のある遺伝子・タンパク質を介して高血圧を発症するという可能性を示したものであった。この3年間、我々はLPIN1遺伝子がヒト集団での高血圧症と関連する事を示してきた。その事から、糖脂質代謝をターゲットとして、ゲノム情報からin silicoで作成した化合物を作り新規高血圧治療薬を作成していく。
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