2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患におけるユビキチンプロテアソーム系の関与の解明
Project/Area Number |
20390244
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 良輔 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (90216771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 純 京都大学, 医学研究科, 助教 (60360814)
三澤 日出巳 慶応義塾大学, 薬学部, 教授 (80219617)
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Keywords | 運動ニューロン / 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / RP t 3 / 26Sプロテアソーム / コンディショナルノックアウトマウス / VAChT-Cre |
Research Abstract |
主たる蛋白分解経路の一つであるユビキチンプロテアソーム系(UPS)は、それに関連する蛋白質の異常が多くの神経変性疾患において報告されており、神経変性疾患の有力な病因仮説の一つとして挙げられている。本研究において我々は、運動ニューロン特異的に組換え酵素であるCreを発現するVAChT-Cre. Fastマウスと、独自に作製した26Sプロテアソームの19S複合体部分のサブユニットRpt3をCre認識部位であるlox配列で取り囲んだfloxed-Rpt3マウスを掛け合わせることによって、筋萎縮性側索硬化症の標的部位となる、運動ニューロン特異的にプロテアソームサブユニットRpt3をノックアウト(KO)したマウスを作製した。VAChT-Cre-Fastマウスは生後5週までに40-70%の運動ニューロンにCreが発現する。運動ニューロン特異的Rpt3-KOマウスでは8週齢以降に振せん症状を呈し始め、12週より、下肢の運動機能低下が出現し、20週までは急速に、40週までは緩徐に進行することが確認されている。病理解析として、運動ニューロン特異的にRpt3の減少とともにユビキチンの蓄積が認められており、Rpt3の減少に伴うUPS破綻を示す結果を得た。つまり、UPS破綻に伴う蛋白質分解経路の異常は、進行性の行動異常を伴った神経変性疾患様症状を呈した。現在、引き続き本作製運動ニューロン特異的Rpt3-KOマウスを用いて、詳細解析を進めており、ALS病因因子やその他の蛋白分解系の動態を含め、検討を行っている。
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Research Products
(19 results)