2008 Fiscal Year Annual Research Report
膵β、α細胞間で相違する顆粒開口放出マシナリーの解析
Project/Area Number |
20390253
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 Gunma University, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生理学 / 蛋白質 / 糖尿病 |
Research Abstract |
これまでわれわれは、2つの異なる Rab27a エフェクター Granuphilin とExophilin4が、それぞれ膵β細胞、α細胞に特異的に発現し、そのインスリン顆粒、グルカゴン顆粒を細胞膜に接着させる(ドッキング)機能を有していることを見出した。本年度は、特に Granuphilin と結合することが知られているRab27a、Syntaxin-1a、Mnnc18-1、細胞膜リン脂質との相互作用を特異的に欠失させた各種変異体を用いて、そのドッキング能との関係を調べた。その結果、これら分子間相互作用のうち、顆粒の細胞膜ドッキングに必須であるものとそうでないものを分別することができた。また膵β細胞にはGranuphilin とは別の Rab27a エフェクターが発現しているが、このRab27aエフェクター分子は、Granuphilinと同一のドメイン構造をとるにもかかわらず、インスリン顆粒を細胞膜に接着させる機能を有しておらず、上記Granuphilin の穎粒ドッキング作用に必須であるSyntaxin-1aに対する親和性を示さなかった。このことは、本エフェクター分子がGranuphilinとは別の機能を持っていることを示唆し、現在、ノックアウトマウスを作製し、その機能を解析している。これまでの個体レベルの解析では、耐糖能の変化は認められていないが、インスリン分泌能や顆粒の細胞内分布に変化がないか、電子顕微鏡や全反射顕微鏡を用いて詳細に解析している。
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