2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵β、α細胞間で相違する顆粒開口放出マシナリーの解析
Project/Area Number |
20390253
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 Gunma University, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
|
Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生理学 / 蛋白質 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本年度は、膵β細胞に発現するRab27aエフェクターgranuphilinの働きを中心に研究を進めた。 Granuphilinは、細胞膜上のSNAREタンパク質syntaxin-laと相互作用して、分泌顆粒の定常的な細胞膜ドッキングを引き起こし、次の膜融合過程を負に制御する、と考えられている。これら分子のin vivoにおける作用とその機能関係を調べるために、granuphilin欠損マウス、syntaxin-la欠損マウス、granuphilin/syntaxin-laダブル欠損マウスの耐糖能、インスリン分泌能、分泌顆粒の細胞内分布を検討した。その結果、granuphilin、syntaxin-laとも分泌顆粒のドッキング、開口放出に関与しているが、その表現型は異なることがわかった。さらにダブル欠損マウスでは、granuphilin欠損の影響が優位になることを見出した。この結果は、granuphilinがsyntaxin-laより先に作用していること、またsyntaxin-laに依存しない膜融合装置の存在を示唆している。現在、syntaxin-4など他のsyntaxinアイソフォームが、分泌顆粒の細胞膜ドッキングや膜融合に関与していないか、shRNA法などを用いて解析している。これらの解析より、インスリン顆粒の細胞膜ドッキング、融合の詳細な分子機序が明らかになり、両過程の間にどのような関係があるのかを研究する上での基盤となる知見を集積できる、と期待される。
|