2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵β、α細胞間で相違する顆粒開口放出マシナリーの解析
Project/Area Number |
20390253
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生理学 / 蛋白質 / 糖尿病 |
Research Abstract |
これまでわれわれは、低分子量GTPase Rab27aがペプチドホルモンを含有する分泌顆粒の開口放出に中心的役割をしており、そのエフェクター分子として、膵α、β細胞ではそれぞれexophilin4、granuphilinが機能していることを示してきた。しかしRab27a欠損細胞の表現型はこれら分子以外の関与も示唆している。前年度までは、主として膵β細胞に発現するRab27aエフェクターの機能解析を行ってきたが、本年度は膵α、β細胞においてRab27aと相互作用する分子を系統的に比較する研究を行った。具体的には、MEFタグと呼ばれる、MycタグとFlagタグの間にTEVプロテアーゼ切断サイトをいれ、三者をタンデムにつなげたアフィニティータグをマウスRab27a cDNAに付加し、レトロウイルス発現ベクターに組み込んだ。このレトロウイルスをマウスβ細胞由来のMIN6細胞株、マウスα細胞由来のαTC1.6細胞株それぞれに感染させ、MEF-Rab27a安定発現細胞株を作製した。そしてそれらの細胞抽出液より多段階免疫沈降法により精製されたRab27a結合タンパク質を質量分析装置により同定した(首都大学、礒部俊明教授との共同研究)。これまでα細胞で20本、β細胞で16本の結合タンパク質のバンドを検出し、両細胞間で共通のものもあるが、結合タンパク質の種類が大きく異なることがわかった。現在、同定された各タンパク質の機能解析を行っている。α、β細胞は血糖値に対して正反対のホルモン分泌反応を示すが、これらの解析を通して、その分子基盤の相違が明らかにされると期待される。
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