2009 Fiscal Year Annual Research Report
代謝制御における新たな鍵分子NRDcの発見:そのメタボリックシンドロームでの意義
Project/Area Number |
20390255
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 英一郎 Kyoto University, 医学研究科, 産学官連携准教授 (30362528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 久徳 京都大学, 医学研究科, 講師 (90291426)
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Keywords | エネルギー代謝 / メタボリックシンドローム / メタロプロテアーゼ / 動脈硬化 |
Research Abstract |
我々は、HB-EGFの新規結合蛋白質としてメタロプロテアーゼnardilysin (NRDc)を単離同定し、NRDcが様々な膜蛋白質の細胞外ドメインシェディングを活性化することを明らかにした。NRDc欠損マウスを作製したところ、内臓脂肪減少、血清中性脂肪低下、インスリン感受性亢進、低血圧、というメタボリックシンドロームとは全く逆の表現型を呈することが明らかになった。本研究では、これらの表現型発現の分子機構、メタボリックシンドロームにおけるNRDcの病態生理学的意義を解明することを目的とし、将来的には同分子メカニズムを基盤とした、メタボリックシンドロームの新規予防法・治療法の開発を目指す。平成21年度には、メタボリックシンドロームの動物モデルとして、野生型およびNRDcヘテロ欠損マウス(NRDc+/-;普通食では体重、脂肪量共に野生型と変わらない)に高脂肪食負荷(3ヶ月間)を行った。その結果、NRDc+/-の体重増加は野生型と比べて明らかに少なく、インスリン感受性も高いことが明らかになった。また、白色脂肪組織における炎症細胞浸潤も有意に減少していたことから、NRDcが慢性炎症のコントロールを介して糖脂質エネルギー代謝を制御している可能性が示唆された。さらに、ヒト疾患におけるNRDcの重要性を検討するため、我々が独自に作製した高感度NRDc測定系(ELISA:特許申請済み)を用いて検討したが、現在の所、血清NRDc値と体重、BMI、中性脂肪値などとの相関は認められない。並行して、代謝制御の分子メカニズムの解明も続けており、22年度には解明した分子機構に立脚した方法で、表現型のレスキュー実験を試みたい。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Nardilysin Regulates Axonal Maturation and Myelination in the Central and Peripheral Nervous System2009
Author(s)
Ohno M, Hiraoka Y, Matsuoka T, Tomimoto H, Takao K, Miyakawa T, Oshima N, Kiyonari H, Kimura T, Kita T, Nishi E
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Journal Title
Nat.Neurosci. 12
Pages: 1506-1513
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clopidogrel resistance in Japanese patients scheduled for percutaneous coronary intervention2009
Author(s)
Hoshino K, Horiuchi H, Tada T, Tazaki J, Nishi E, Kawato M, Ikeda T, Yamamoto H, Akao M, Furukawa Y, Shizuta S, Toma M, Tamura T, Saito N, Doi T, Ozasa N, Jinnai T, Takahashi K, Watanabe H, Yoshikawa Y, Nishimoto N, Ouchi C, Morimoto T, Kita T, Kimura T.
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Journal Title
Peer Reviewed
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