2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンを標的とした細胞内ストレス制御による新規糖尿病治療法の開発
Project/Area Number |
20390259
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 栄一 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10253733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 龍也 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (70398204)
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Keywords | 分子シャペロン / 細胞内ストレス / Hsp72 / Bip |
Research Abstract |
1.膵β細胞・肝由来細胞おけるMETの効果検討 細胞レベルでのHsp72発現増強が、インスリン分泌増強効果・インスリンシグナル増強効果があるか否かについて検討することを目的としている。 実験系の構築のために、MIN6細胞に対してHsp72発現増強のため温熱微弱電流(MET:12V、0.1msec peak duration,55pulses per second,42℃、10分間)を行った。Hsp72発現の増強はWestern blotにて確認でき、5mM glucose→25mM glucoseにステップアップさせた際のインスリン分泌反応は増強したが、最適条件設定と培地としてDMEMを用いる場合とKRB bufferを用いる場合とで差があるか、また最もインスリン分泌反応が強く観察されるタイムコースを調べる検討を現在行っている。最適条件を確認の後、肝臓由来細胞株の実験も行う。 2.臓器特異的シャペロン(Bip)導入マウスの作製 ERにおいて未熟なあるいは不完全なfoldingを示す異常蛋白質を早期に認識し、ERストレスの検知・緩和に寄与すると想定される分子シャペロン、Bip(GRP78)に注目している。Bipを肝細胞および膵β細胞特異的に発現させるマウスラインの構築を目的としている。 現在までに、CAT配列の下流にBip cDNAを挿入したトランスジェニックマウスを作成した。このCAT配列の前後にはlox-p配列があるのでCre recombinaseを作用させるとCATが削除され、Bipが過剰発現できる。肝細胞特異的にCre recombinaseを発現するAlb-CreマウスとBip遺伝子導入マウスを交配して、肝細胞特異的にBipを発現するマウスを得る予定である。膵β細胞の場合はRIP-Creマウスと交配し、膵β細胞特異的にBipを発現するマウスを得る予定である。
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