2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンを標的とした細胞内ストレス制御による新規糖尿病治療法の開発
Project/Area Number |
20390259
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (10253733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 龍也 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (70398204)
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Keywords | 糖尿病 / 分子シャペロン / Hsp72 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
肥満インスリン抵抗性モデル動物に対するMETの施行とその解析 (i)高脂肪食負荷マウス、(ii)db/dbマウス、(iii)KKAyマウス、にMETを週2回施行(12V、0.1msec peak duration, 55pulses per second, 42℃、10分間)し、10週間行った。これにより特に肝臓でHeat shock protein 72 (Hsp72)発現が増加した。 (a)体重・摂食量の経時変化を測定、さらに空腹時血糖値・空腹時インスリン値・随時血糖値も測定し、体重・摂食量は不変だが、糖代謝は改善した。 (b)10週間のMETの後、糖負荷試験・インスリン負荷試験を行ない耐糖能・インスリン抵抗性の改善を確認した。 (c)adiponectin値が上昇し、leptin値をは低下した。また血清中の炎症性サイトカイン値の低下も認めた。 (d)下大静脈よりインスリンを投与し、各臓器を摘出・重量測定を行い、肝臓重量の低下を観察した。 (e)肝臓においてOil Red O染色を行ない脂肪肝の程度を評価したところ、明らかな脂肪沈着の減少を認めた。 (f)肝臓・筋肉・各脂肪組織においてインスリンシグナル分子の活性化を確認した。 (g)各臓器においてJNKのリン酸化およびASK1の活性化が低下した。 (h)筋肉においてインスリン刺激によるGLUT4の膜移行を免疫組織染色にて検討したところ、GLUT4膜移行の増強を認めた。 上記のどの糖尿病動物に対してもほぼ同等の結果が得られており、環境因子・遺伝因子・小胞体ストレスなど多様な要素に起因する糖尿病への治療効果が期待できると考えられた。
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Research Products
(13 results)