2010 Fiscal Year Annual Research Report
イメージング手法を用いた糖尿病における開口放出不全機構の解明
Project/Area Number |
20390260
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 美佳 杏林大学, 医学部, 准教授 (40201941)
青柳 共太 杏林大学, 医学部, 助教 (50453527)
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Keywords | 糖尿病 / TIRF / 1分子イメージング / インスリン / 開口放出 |
Research Abstract |
近年、ゲノムワイド関連解析(GWAS)によりいくつかの糖尿病発症遺伝子が同定された、その中の1つであるCDKAL1(cyclin-dependent kinase 5 regulatory subunit associated protein1)のノックアウトマウスを作製、本KOマウスにおけるインスリン分泌のTIRF解析、並びに開口放出不全につき検討した。このKOマウスにおいては、ランゲルハンス氏島のサイズ、インスリン含量に変化はなく、又、β細胞形質膜に結合しているインスリン顆粒数にも変化はなかったが、インスリン分泌第1相、特に膜結合顆粒からの放出が明らかに低下していた。その原因を探究したところ、インスリン開口放出関連蛋白質には異常はなく、むしろミトコンドリアにおけるATP産生能が低下していた。すなわち、CDKAL1の欠失は、ER dysfunctionを介したミトコンドリアでのATP産生低下がKATPチャネルの不応性を引き起こし、結果としてインスリン分泌第1相を低下、最終的には耐糖能異常を引き起こすメカニズムが明らかとなった。本年度の研究により、GWASにより同定された糖尿病発症遺伝子のインスリン開口放出不全を引き起こす機構の一端が明らかとなった。
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Research Products
(5 results)