2011 Fiscal Year Annual Research Report
イメージング手法を用いた糖尿病における開口放出不全機構の解明
Project/Area Number |
20390260
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 美佳 杏林大学, 医学部, 准教授 (40201941)
青柳 共太 杏林大学, 医学部, 助教 (50453527)
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Keywords | 糖尿病 / TIRF / 1分子イメージング / インスリン / 開口放出 |
Research Abstract |
私達は、インスリン分泌第1相に於いては、Syntaxin1A、SNAP-25、VAMP-2等のSNARE蛋白質が関与しており、神経細胞等で観察される開口放出機構と同様なシステムによりインスリン分泌が行われることを既に明らかにしているが、インスリン分泌第2相においては、一群のSNARE蛋白質が積極的には関与しておらず、その機構については未だ不明である。本年度は、第2相インスリン分泌のメカニズムを解明すべく研究を行った。以前よりホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3Kの活性を阻害すると、インスリン分泌第2相が増強することが知られていたが、私達は、インスリン受容体を介したインスリンシグナルがインスリン分泌第2相に対してnegative feedbackしているのではないか、と考えた。そこで、ClassIA PI3Kに特異的な阻害剤であるPIK-75によるインスリン分泌反応を観察したところ、PIK-75は、慢性阻害では第2相分泌を抑制、急性阻害では、分泌を約2倍に促進した。p85α/p85βダブルノックアウトマウスを用いて検討したところ、第2相分泌は低下していたため、PI3Kの急性阻害が、第2相分泌を促進することが明らかとなった。次に、PI3Kの下流にあるAktを阻害したところ、第2相分泌が促進されたため、インスリン分泌第2相の制御はPI3K-PDK-1-Akt pathwayによって行われているとこが明らかとなった。次に、PI3Kによって制御されているインスリン顆粒の動態をTIRF(全反射蛍光顕微鏡)システムを用いて検討した。その結果、PI3K下流シグナルを阻害すると、インスリン顆粒の動きが活性化することから、PI3K下流のシグナルは、細胞骨格とインスリン顆粒とのinteractionを制御していることが明らかとなった。
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