2010 Fiscal Year Annual Research Report
成人GH分泌不全症をモデルとした非アルコール性脂肪性肝炎の病態解明と治療法の開発
Project/Area Number |
20390262
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
千原 和夫 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (00107955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕 神戸大学, 医学研究科, 講師 (70301281)
飯田 啓二 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80324911)
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Keywords | 成人GH分泌不全症 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 成長ホルモン |
Research Abstract |
本研究は、成人GH分泌不全症(AGHD)において合併した非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)がGH補充療法によって劇的に改善した(Takahashi, Chihara et al.Gastroenterology 2007)症例をきっかけに発展させたプロジェクトであり、その目的は成人GH分泌不全症をモデルにして一般のNASH発症の病態の解明すること、逆の視点でAGHDの病態を理解すること特にGHの成人における特に肝臓における生理作用の解明を行うことである。これまで、1)AGHD症例におけるNALD/NASH発症頻度を明らかにする臨床研究、2)NASHを合併した肝生検検体を用いた病態およびGH治療効果の解析、3)AGHD動物モデルであるSDR(Spontaneous dwarf rat)を用いた機序に関する分子生物学的研究、4)NASH動物モデルであるコリンメチオニン欠乏食投与下のdb/dbマウス(CMD db/db)を用いたGH治療による効果および作用機序の解析を行ってきた。そして、AGHD症例にNAFLD/NASHが非常に高頻度に合併すること、その肝病変がGH治療によって劇的に改善すること(論文投稿中)、SDRがよいAGHDかつNASHモデルでありGH特にIGF-Iが効果を示すこと(論文投稿中)、CMD db/dbに対してGH/IGF-Iが効果を示すことを見いだした。さらに詳細な機序の解析を行ったところ、IGF-Iが肝臓星細胞機能を調節することにより、線維化を抑制することが明らかになった(論文作製中)。
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Research Products
(21 results)