2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病発症基盤としてのアンドロゲンの意義に関する基礎的、臨床的研究
Project/Area Number |
20390263
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柳瀬 敏彦 Fukuoka University, 医学部, 教授 (30239818)
|
Keywords | アンドロゲン / 選択的アンドロゲン受容体修飾剤 / DHT / 動脈硬化 / LOX-1 |
Research Abstract |
初年度は、アンドロゲンの抗肥満作用機序の一端として、エネルギー産生亢進作用のあるレプチンシグナルのアンドロゲン受容体(AR)による活性化機構を明らかにした(Endocrinology 149 : 6028-36, 2008)。 この仕事を発展させる形で、当該年度は、新規の選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(selective androgen receptor modulator : SARM)化合物のS42を見出した。S42は、dihidrotestosterone (DHT)と異なり睾丸摘出ラットの前立腺を刺激せずに、血中の中性脂肪を著明に低下させることを明らかにし、抗メタボ作用を有する化合物であることを見出した(Endocrinology 150 : 5606-5616, 2009)。 また、アンドロゲンと動脈硬化症との関連については、テストステロンがエストロゲンに転換されてしまうため、アンドロゲンの直接効果の有無については一定の見解がなかった。そこで、高コレステロール食負荷ラビットを動脈硬化モデルとして、aromatizationによりエストロゲンに転換されることがないDHTの投与研究を行った。このモデル動物では精巣摘出群が、さらに動脈硬化を増悪させたが、DHT除放ペレットによるDHTの生理的濃度の達成が、その動脈硬化を抑制すること、その機序には酸化LDL受容体(LOX-1 : lectin-like oxidized low density lipoprotein receptor-1)の抑制が関与すること明らかにした(Endocrinology, 2010 in press)。
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] A novel synthetic androgen receptor ligand, S42, works as a selective androgen receptor modulator and possesses metabolic effects with little impact on the prostate2009
Author(s)
Min L, Yanase T, Tanaka T, Fan W, Nomura M, Kawate H, Okabe T, Takayanagi R, Nawata H
-
Journal Title
Endocrinology 150
Pages: 5606-5616
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-