2008 Fiscal Year Annual Research Report
7番染色体長腕より単離したMDS/AML抑制遺伝子候補産物の機能解析
Project/Area Number |
20390271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲葉 俊哉 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60281292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 博也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (60243614)
本田 浩章 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40245064)
松井 啓隆 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (60379849)
安藝 大輔 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50420500)
宮崎 和子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00311811)
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Keywords | MDS / 骨髄性白血病 / 7番染色体欠損 / 発がん抑制遺伝子 / 遺伝子欠損マウス / 分裂異常期 |
Research Abstract |
われわれはかねてより、7番染色体長腕(7q)よりMDSを抑制する遺伝子の単離と、遺伝子産物の機能解析を進めてきた。候補として単離した四遺伝子(Samd9=Kasumi, Samd9L=Titan, LOC253012=Miki, CG-NAP)のうち、KasumiとTitanは共通の祖先遺伝子より進化した、互いに60%のアミノ酸相同性を持つ、機能不詳の関連タンパク質をコードする。ラットを含むほとんどの哺乳類で、KasumiとTitanの双方が存在するが、マウスではTitan遺伝子のみが存在し、Kasumiは存在しない。常法に基づいてTitan遺伝子欠損マウスを作成したところ、それ自体は正常に出生、発育した。そこで、その新生仔期にレトロウイルスを感染させたところ、ほぼ全例が骨髄球系の白血病を発症した。発症した骨髄性白血病は典型的なde novoのAMLからMDSやCML様などさまざまな病型を有しており-7/7q-を伴う一骨髄性白血病と類似していた。レトロウイルスの挿入部位を同定したところ、Evi-1転写調節遺伝子とともに、ヒストン脱メチル化酵素をコードするFbx110遺伝子が同定された。一方、Miki,CG-NAPは分裂期中心体に局在し、その発現抑制により生じる細胞分裂の異常がMDS特有の形態異常の原因と考えてきたが、これまで不明であったMikiの機能として、分裂期に必要な傍中心体物質(PCM)を中心体に輸送するシステムのメンバーであることが明らかとなった。
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