2010 Fiscal Year Annual Research Report
7番染色体長腕より単離したMDS/AML抑制遺伝子候補産物の機能解析
Project/Area Number |
20390271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲葉 俊哉 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60281292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 啓隆 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (60379849)
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Keywords | MDS / 骨髄性白血病 / 7番染色体欠損 / 発がん抑制遺伝子 / 遺伝子欠損マウス / 分裂期異常 / エンドソーム代謝 |
Research Abstract |
われわれは、7番染色体長腕(7q)よりMDSを抑制する遺伝子の単離と、遺伝子産物の機能解析を進めてきた。候補として単離した四遺伝子(Samd9, Samd9L, LOC253012=Miki, CG-NAP)のうち、Samd9とSamd9Lは共通の祖先遺伝子の重複により生じた関連遺伝子である。ラットを含むほとんどの哺乳類で、Samd9とSamd9Lの双方が存在するが、マウスではSamd9L遺伝子のみが存在する。Samd9L遺伝子欠損マウスを作成したところ、自然経過で1.5歳以上(ヒトでは40~50歳に相当)のマウスの半数以上にMDSを中心とする骨髄性腫瘍が生じた。また、その新生仔期にレトロウイルスを感染させたところ、ほぼ全例が骨髄球系の白血病を発症した。レトロウイルスの挿入部位として、Evi-1転写調節遺伝子とともに、ピストン脱メチル化酵素をコードするFbx110遺伝子が同定された。Samd9、Samd9Lの生化学的機能は不明であったので、遺伝子欠損マウスより樹立した線維芽細胞などを用いて検討したところ、マウスSamd9Lは、初期エンドソーム内にあって、初期エンドソーム同士の融合を促進する機能を持つことが判明した。Samd9Lの欠損によって、初期エンドソームのサイズは大きくならず、後期エンドソームとの融合によるリソソームの形成が阻害された。その結果、リガンドと結合したサイトカイン受容体の分解が遅れ、過剰なシグナルが観察された。このことが、骨髄性腫瘍の発症に関与していると考えられた。われわれは、Samd9遺伝子をその機能に基づいてefi-1(endosome fusion inducer)、Samd9Lをefi-2と名付けることを提唱した。
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Research Products
(10 results)