2008 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞療法開発に向けたヒトES細胞からの造血細胞産生系の構築と分子機構の解明
Project/Area Number |
20390273
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 大介 九州大学, 医学研究院, 特任准教授 (00426652)
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Keywords | ヒト胚性幹細胞 / コモンマーモセットES細胞 / Tal1 / Scl遺伝子 / VSV-Gシュードタイプレンチウイルスベクター / NOGマウス / ヒト胎児肝臓 / LVベクターライブラリー / GFP遺伝子 |
Research Abstract |
ヒト胚性幹(ES)細胞を用いた新規治療法の開発を最終目的に、我々がこれまで行ってきたコモンマーモセット(CM)ES細胞を用いたTall/Scl遺伝子導入による効率的造血幹細胞増幅法の開発研究成果を基盤として、1)Tall/Scl遺伝子導入ヒトES細胞のin vitroならびに免疫不全マウスin vivoにおける造血細胞への分化誘導能の検討とその細胞内分子機構の解析、2)霊長類ES細胞の造血細胞への分化をTall/Sclと協調的に促進する遺伝子の同定と複数遺伝子導入ES細胞株の樹立、3)安全性の高いES細胞への遺伝子導入法の確立、の3項目の研究を本研究では行う。本年度は先ず京都大学にて樹立されたヒトES細胞株にVSV-Gシュードタイプレンチウイルス(LV)ベクターを用いてヒトTal1/Scl・cDNAを導入しヒトTal1/Scl・ES細胞株を樹立しそのin vitro造血能を明らかにすることができた。現在免疫不全NOGマウスに骨髄内移植を行いそのin vivo造血再構築能を検討中である。次に霊長類ES細胞の造血細胞への分化をTal1/Sclと協調的に促進する遺伝子の同定を目的に、Tal1/Scl・CMES細胞株ならびにヒトES細胞株を対象に、われわれが作製したヒト胎児肝臓cDNA発現LVベクターライブラリーを用いてスクリーニングを行い、造血細胞分化能が示唆された複数の候補遺伝子を同定した。現在それらのin vitroでの再現性を確認中である。さらに安全性の高いES細胞への遺伝子導入法の確立を目的にAd35ならびにAd5/F35アデノウイルスベクター、麻疹ウイルスベクターを用いてCMならびにヒトES細胞にGFP遺伝子を効率的に導入できる条件を検討中であり、最良の条件でTal1/Scl cDNAを導入し、その造血細胞分化能をin vitro/in vivoで検討する予定である。
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Research Products
(8 results)