2010 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞療法開発に向けたヒトES細胞からの造血細胞産生系の構築と分子機構の解明
Project/Area Number |
20390273
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 大介 九州大学, 医学研究院, 特任准教授 (00426652)
|
Keywords | 霊長類ES細胞 / Tal1/Scl遺伝子 / レンチウイルスベクター / 造血細胞分化誘導法 / CD34陽性細胞 / 染色体非挿入型ウイルス / 麻疹ウイルス / 幹細胞 |
Research Abstract |
ヒト胚性幹(ES)細胞を用いた新規治療法の開発を最終目的に、我々がこれまで行ってきた小型霊長類コモンマーモセット(CM)ES細胞を用いたTal1/Scl遺伝子導入による効率的造血細胞増幅法の開発研究を基盤として、当該年度にはヒト胎児肝臓cDNA発現レンチウイルスベクターライブラリー法、Digital Differential Displayプログラム法、正常および各種ノックアウトマウス(Evi-1,Runx-1,c-Myb,Twist-1)AGM領域造血幹細胞マイクロアレイ比較解析法、を用いて血球分化誘導候補遺伝子29遺伝子を選定した。次にこれら候補遺伝子導入CM ES細胞を用いた胚葉体形成法により、CD34陽性細胞出現率を指標とした造血細胞分化誘導能を検討した。先ず造血細胞分化への関与が既知のLyl1、HoxB4、Bmi1遺伝子についてレンチウイルスベクターにてCMES細胞に遺伝子導入を行い、CD34陽性細胞の割合をフローサイトメトリー法にて確認したところ、CD34陽性細胞率が有意に上昇していた。その他の候補遺伝子を用いて同様にレンチウイルスベクターによる遺伝子導入を行ったところ、CD34陽性細胞率の上昇がみられた遺伝子を確認することができた。さらに霊長類ES細胞から造血細胞への分化誘導を効率的に行う系確立のための基礎的研究を行った。特に我々が開発した染色体非挿入型ベクターである麻疹ウイルスベクターを用いて、安全性の高い造血細胞高効率分化遺伝子導入法の条件検討を行った。先ずヒト臍帯血由来CD34陽性細胞へEGFP遺伝子を搭載した麻疹ウイルスの感染を行ったところEGFP陽性細胞が認められ、ヒトES細胞のみならず、種々の幹細胞への麻疹ウイルスベクターを用いた遺伝子導入の可能性が示唆された。
|
Research Products
(19 results)