2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗血栓性因子の機能低下による血栓症発症の解明とその成果に基づく予防戦略の確立
Project/Area Number |
20390278
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 敏行 National Cardiovascular Center Research Institute, 病因部, 部長 (90183970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (40270730)
坂野 史明 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (00373514)
秋山 正志 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (30298179)
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Keywords | フォンビルランド因子 / ADAMTS13 / 血小板血栓 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / プロテインS / 静脈血栓症 / 遺伝子多型 / 血栓症 |
Research Abstract |
私達はプロテインSK196E変異が静脈血栓症のリスクであることを報告した(Kimura et al,Blood,107,1737-8,2006)。プロテインSは、プロテインC依存性とTFPI依存性の2つの抗凝固作用を示す。このうち、TFPI依存性の活性を調べるため、Nidgenl遺伝子のシグナル配列とTEVプロテアーゼで切断可能なHisタグ配列をもつ野生型およびプロテインSK196E変異型発現プラスミドを作成し、CHO-Lec細胞を用いてプロテインSを発現させる系を構築した。 ADAMTS13はVWFのTyr1605-Met1606結合を特異的に分解することにより、血管内皮細胞で生合成されたばかりの超巨大VWFマルチマーを、正常な止血反応を行う適当な大きさのマルチマーへと切断する。ADAMTS13がVWFを切断する際、局所に濃縮されて反応が進行すると考えられるが、そのメカニズムは全く明らかではない。私達は、ADAMTS13とLysプラスミノーゲンが特異的に結合することを見いだした。この結合が細胞上のプラスミノーゲン受容体を介して両者の局在にかかわる可能性がある。そこで、この結合に必要な領域を明らかにするため、プラスミノーゲンをエラスターゼ処理し、C末端約350残基のミニプラスミノーゲンを調製し結合を確認した。また、分子間相互作用解析装置BIACOREを用いて結合を詳細に検討し、結合定数を求めた。
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