2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗血栓性因子の機能低下による血栓症発症の解明とその成果に基づく予防戦略の確立
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20390278
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 敏行 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 部長 (90183970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小亀 浩市 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 室長 (40270730)
坂野 史明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 研究員 (00373514)
秋山 正志 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 室長 (30298179)
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Keywords | フォンビルブランド因子 / ADAMTS13 / 血小板血栓 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / プロテインS / 静脈血栓症 / 遺伝子多型 / 血栓症 |
Research Abstract |
1. 血栓性素因としてのプロテインS K196E変異の研究 私達はプロテインS K196E変異が静脈血栓塞栓症のリスクとして同定した。今年度は、国立循環器病研究センターなどの施設で集めた周産期での静脈血栓症患者18名の遺伝子解析を行った。その結果、4名にプロテインS遺伝子変異、1名にプロテインC遺伝子変異を見出した。アンチトロンビンに遺伝子変異をもつ患者はいなかった。このうち2名はプロテインS K196E変異の保有者であった。遺伝子変異を保有する5名は全員妊娠初期に静脈血栓症を発症していた。以上の結果から、日本人の静脈血栓症を発症した妊婦にはプロテインS遺伝子変異が多く見られ、変異保有妊婦の静脈血栓症は妊娠初期に見られることが判明した。この結果はより大規模な研究で確認する必要がある。 2. 血小板凝集抑制因子ADAMTS13の研究 ADAMTS13はマルチドメインプロテアーゼである。私達は以前(ディスインテグリン様ドメイン)-(TSP1様リピート)-(Cysリッチドメイン)-(スペーサードメイン)の立体構造を結晶構造解析により決定し、基質であるフォンビルブランド因子が結合する様式を明らかにした。今回、(メタロプロテアーゼドメイン)-(ディスインテグリン様ドメイン)の立体構造を明らかにするため、動物細胞を用いた発現系を構築した。 3. 脳虚血耐性モデルを用いた評価 両側の頸動脈と一側の中大脳動脈等の頭蓋内血管の計3血管を同時に閉塞させる一過性脳虚血モデルを用いて、脳で高発現するストレス蛋白質Ndrg4遺伝子のノックアウトマウスの虚血耐性能を評価し、ノックアウトマウスは脳虚血に脆弱であることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)