2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗血栓性因子の機能低下による血栓症発症の解明とその成果に基づく予防戦略の確立
Project/Area Number |
20390278
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Research Institution | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
Principal Investigator |
宮田 敏行 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 部長 (90183970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小亀 浩市 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 室長 (40270730)
坂野 史明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 研究員 (00373514)
秋山 正志 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 室長 (30298179)
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Keywords | プロテインS / ADAMTS13 / フォンビルブランド因子 / 脳梗塞 |
Research Abstract |
血栓症は、凝固制御因子や血小板凝集能抑制因子の機能低下がリスクとなる。私達は、凝固制御因子プロテインSのK196E変異が、静脈血栓症の遺伝的リスクであることを報告した。一方、血栓性血小板減少性紫斑病は、ADAMTS13の活性著減による超巨大フォンビルブランド因子マルチマーの蓄積が原因である。本研究は、私達がこれまで行ってきた2つの抗血栓性因子の解析を進め、日本人の血栓症発症のメカニズムを解明し、それらを血栓症の予防・予知に資することにある。 1.血栓性素因としてのプロテインS K196E変異の研究 本年度は、プロテインS K196E変異マウスおよびプロテインS遺伝子欠損マウスの抗凝固能を、両側の頸動脈と一側の中大動脈等の頭蓋内血管の三血管を閉塞させる三血管閉塞法による脳虚血再灌流モデルを用いて調べた。本法の特色は、糸を用いて脳血管を閉塞させる手法ではないので、血管に傷がつかず、虚血再灌流の影響だけを評価できる。両遺伝子改変マウスは、野生型マウスと較べて、いずれも脳梗塞巣の拡大は観察されなかった。また、動物細胞を用いて組み換えヒトプロテインSの性ホルモン結合グロブリン様(SHBG)領域の発現系を確立した。 2.血小板凝集抑制因子ADAMTS13の研究 ADAMTS13はフォンビルブランド因子のY1605-M1606結合を特異的に分解することにより、超高分子量VWFマルチマーを低分子化する。これによりVVWFは通常の止血能を獲得する。私達はADAMTS13結合因子としてLys-プラスミノーゲンを同定し、原著論文として英文雑誌に投稿し、現在リバイス中である。
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Research Products
(10 results)