2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノDDSを用いたサイトカインの粘膜投与によるアレルギーの病態制御
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20390281
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 修 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 准教授 (00271164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
今西 二郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40112510)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / ナノ材料 / 癌 |
Research Abstract |
IL-21の全身的、および経鼻的投与を種々のアレルギーモデルに対して試み、最適の治療・予防法を確立すると同時に、その作用機序について分子レベルで解析することを目的とする。さらに、独自のナノ粒子を用いたDDSで、生体内でのIL-21の安定化と徐放を達成し、治療効果の向上を図ることを目的とする。IL-21をナノ粒子に封入し、アレルギー性鼻炎に点鼻投与する検討を行ったところ、まず封入の条件の検討では、有効な封入をin vitroで確認できる条件を見つけることができ、さらに徐放効果についても、確認することができた。オヴアルブミンを抗原とし、アジュバントとともに反復経鼻投与することによりアレルギー性鼻炎マウスを樹立し、このマウスにIL-21封入ナノ粒子を点鼻した。ナノ粒子に封入しないIL-21を投与した群と比較して、アレルギー性鼻炎の症状、および抗原特異的血清中IgEを計測したところ、いずれの指標でも、後者の方がより強い抑制が認められた。そこでさらに異なる化学修飾のナノ粒子についての条件検討を開始した。一方で、ナノDDSのアレルギー疾患治療へのもうひとっの応用法として、ナノ粒子に抗原を封入し、反復経皮投与することによりdesensitizationを誘導するという系も試みた。その結果、抗原たんぱく単独による脱感作に比して、ナノ粒子で封入してdesensitizationに用いた群の方が、アレルギー反応の抑制は有意に顕著であった。そこでこのメカニズムに関しても、粘膜免疫応答を含めて現在解析を進めている。一方で、IL-21投与によるアレルギー抑制の機構については、Bリンパ球に作用してIgEクラススイッチを抑制することを以前に示したが、あらたにIL-21が別の細胞にも作用して複合的な効果でアレルギー制御を誘導している可能性を見出したので、現在この点について詳細な検討を加えている。
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Research Products
(8 results)