2010 Fiscal Year Annual Research Report
アネキシン7を中心とした関節リウマチ病態と治療法の研究-プロテオミクスの応用-
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20390283
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80233807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊道 和雄 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60272928)
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Keywords | 関節リウマチ / アネキシン7 / プロテオミクス / 翻訳後修飾 / 治療標的 |
Research Abstract |
関節リウマチは、関節を主病巣とする病因不明かつ難治性の炎症性疾患である。近年、サイトカインを標的とした生物学的製剤の有効性が認められているが、病因理解に基づいた根本的治療法の確立には至っていない。本研究では、関節リウマチにおける新しい治療標的を探索するために、蛋白質翻訳後修飾の差異を指標とした関節リウマチ滑膜細胞の網羅的解析を実施した。昨年度までに、リン酸化を指標として、関節リウマチで高レベルにリン酸化されている分子のひとつとしてAnx7を同定し、その遺伝子導入により、コラーゲン誘導性関節炎(CIA)抵抗性のC57BL/6マウスをCIA感受性に変えることのできること、および、その遺伝子導入マウスのみならず、野生型DBA/1Jマウスにおいても、抗アネキシン7抗体でCIAが抑制されることを示した。今年度、さらにAnx7は、1)RA患者由来滑膜細胞表面に局在していること、2)抗Anx7抗体は、細胞表面に局在するAnx7に結合すること、3)滑膜肉腫細胞およびRA患者由来滑膜細胞において、Anx7のノックダウンによりIL-8の分泌が減少すること、4)Anx7過剰発現によりIL-8の分泌が増加することなどを示すことで、Anx7が関節炎病態に関与する機序を解明した。これらの検索により、Anx7は関節リウマチの治療標的分子となる可能性が考えられた。
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