2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390284
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
三宅 幸子 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所・免疫研究部, 室長 (50266045)
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Keywords | NKT細胞 / MR1 / 関節炎 / 免疫調節性細胞 / 腸内細菌叢 |
Research Abstract |
研究目的:MR1拘束性T細胞は、可変性の限られたT細胞受容体を発現するMR1拘束性のリンパ球である。これまでの研究で、多発性硬化症の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)において、MR1拘束性T細胞は病態抑制に関与することを示したが、MR1拘束性細胞が他の自己免疫病態において制御性細胞として機能するかどうかを検討する目的で、関節炎に与える影響を調べた。 結果と考察:MR1^<-/->マウス(MR1^<-/->)をDBA/1Jマウスに10回戻し交配を行ったマウスにコラーゲン関節炎(CIA)を誘導した。CIA発症率,最大スコアともに、野生型DBA/1Jマウスに比較してMR1^<-/->マウスで有意に高値であった。これは、同腹の野生型マウスを用いても同様の結果が得られた。病理所見でも、MR1^<-/->マウスでは、関節炎がより顕著であった。一方、CIIカクテル抗体関節炎ならびにK/BxN血清移入関節炎ではMR1^<-/->マウスにおいてコントロールB6マウスと比較して関節炎が抑制された。関節局所における炎症性サイトカインの発現も、MR1^<-/->マウスでは有意に低かった。In vitroにて、Vα19iTCRトランスジェンックマウスからNKT細胞をセルソーターを用いて分離し、各種サイトカイン存在下で抗CD3抗体刺激によるサイトカイン産生を検討したところ、IL-1共存下でIL-17産生が増強した。MR1拘束性NKT細胞はEAEに対して抑制的に働くが、コラーゲン関節炎ならびに抗体誘導関節炎の炎症増悪に関与する可能性が示唆された。関節炎では、IL-1を初めとした炎症性サイトカインが大量に産生されていることから、強い炎症局所ではMR1拘束性T細胞は炎症の増悪因子として機能すると考えられた。MR1拘束性T細胞の生理的機能の解析や、ヒト自己免疫病態における役割について検討するため、この細胞を特定できる抗体の作製が必須であると考えられる。
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[Presentation] 新規 celecoxib アナログはTh17, Th1細胞の抑制を介して多発性硬化症, 関節リウマチのマウスモデルを抑制する2009
Author(s)
宮崎雄生, 千葉麻子, 水野美歩, 任海千春, 市川大樹, Iraide Alloza, 山村隆, Koen Vanden broeck, 三宅幸子
Organizer
第39回日本免疫学会総会
Place of Presentation
大阪、大阪国際会議場
Year and Date
2009-12-02
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