2008 Fiscal Year Annual Research Report
「リンパ球チップ」を用いた感染症・細菌兵器に対する新たな抗体医療戦略
Project/Area Number |
20390286
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
小澤 龍彦 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
北島 勲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
二階堂 敏雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50180568)
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Keywords | 感染症 / リンパ球チップ / 抗体医療 / 抗体遺伝子 / 抗体工学 / 抗体産生細胞 / ヒト抗体 / 新興感染症 |
Research Abstract |
本研究は、我々が開発した「リンパ球チップ」という新しい抗体医療戦略を用いて、感染症患者の血液から病原菌特異的なヒトBリンパ球を効率良く同定し、そのBリンパ球が産生する抗体遺伝子を迅速に単離し、ヒト型リコンビンナント抗体を1週間以内に作製することで、新興感染症や細菌を用いた生物テロに対する新しい抗体医療の道を開くことを目的とする。 平成20年度の研究実績は以下のとおりである。 【1】リンパ球マイクロチップの改良:検出感度と再現性を高めるために、スキャナーを2蛍光対応型に改良した。また、CCDカメラを用いた新しいスキャナーの開発を行った。その結果、抗原濃度、抗原エピトープ数や親和性等によって規定される細胞刺激の強弱に対するリンパ球クローンの反応差を確認することが可能となった。 【2】ヒト抗体遺伝子解析の迅速化:採取した1個の抗原特異的B細胞の抗体遺伝子配列から、抗体が抗原を認識するために必要な最小単位であるVHおよびVLから構成される可変領域(Fv)をフレキシブルなペプチドリンカーで結合した単鎖可変領域フラグメント(scFv)の遺伝子を構築し、無細胞タンパク合成システムを用いてin vitroタンパク合成を行った。その結果、遺伝子機能解析が迅速化された。 【3】抗体分泌細胞検出(ISAAC/FLISPOT)法の開発:リンパ球チップの応用として、抗体分泌細胞の分泌する抗体を直接検出する方法が考えられる。例えば、細胞が分泌する抗体を蛍光色素標識した抗原で検出すれば、この細胞を回収し、抗原特異的な抗体遺伝子候補をクローニングできる。H20年度は、マウスの抗体産生細胞の検出法をさらに改良し、より効率的に抗体産生細胞を検出できる系を確立した。
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Research Products
(23 results)