2009 Fiscal Year Annual Research Report
「リンパ球チップ」を用いた感染症・細菌兵器に対する新たな抗体医療戦略
Project/Area Number |
20390286
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
小澤 龍彦 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
北島 勲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
二階堂 敏雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50180568)
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Keywords | 感染症 / リンパ球チップ / 抗体医療 / 抗体遺伝子 / 抗体工学 / 抗体産生細胞 / ヒト抗体 / 新興感染症 |
Research Abstract |
本研究は、我々が世界で初めて開発した「リンパ球チップ」という新しい抗体医療戦略を用いて、感染症患者の血液から病原菌特異的なヒトBリンパ球を効率良く同定し、そのBリンパ球が産生する抗体遺伝子を迅速に単離し、ヒト型リコンビンナント抗体を1週間以内に作製することで、新興感染症や細菌を用いた生物テロに対する新しい抗体医療の道を開くことを目的とする。 平成21年度の研究実績は以下のとおりである。 【1】抗体分泌細胞の直接検出(ISAAC/FLISPOT)法の開発と実証:リンパ球チップの応用として、マイクロウエル内の抗体分泌細胞の分泌する抗体を直接検出する方法を確立した。具体的には、細胞が分泌する抗体を、蛍光色素標識した抗原で検出し、この細胞を回収後、抗原特異的な抗体遺伝子候補をクローニングできるシステムを構築した。このシステムで、HEL(鶏卵リゾチーム)抗体トランスジェニックマウス(MD4)の碑細胞から、HEL抗体分泌細胞を高感度かつ効率的に検出することを実証した。さらに、この系をヒトに応用して、ワクチン接種したボランティアの末梢血から、肝炎ウイルスあるいはインフルエンザウイルスに対する抗体を迅速に作製することができた。 【2】B型肝炎ウイルス(HBV)の迅速中和能検定法の開発:HBVはヒトとチンパンジーの肝細胞でのみ増殖するため、HBVの中和実験にはヒトの初代肝細胞が必要であり、測定は容易ではない。今回、ヒト肝細胞癌由来のHepaRG細胞株を用いて、短期間にin vitroでHBVの中和能がアッセイできる系を確立した。具体的には、HepaRG細胞株にHBVを抗体の存在下あるいは非存在下で感染させ、細胞内あるいは培養液中のHBVウイルス量の変化をリアルタイムPCR法で調べた。この方法により、上記【1】で得られた多くのヒト型抗HBV抗体の中和能を効率良く調べることができた。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] A rapid and efficient single-cell manipulation method for screening antigen-specific antibody-secreting cells from human peripheral blood.2009
Author(s)
小澤龍彦, 金艾順, 田尻和人, 小幡勤, 近藤佐千子, 木下耕史, 門脇慎一, 高橋和郎, 杉山敏郎, 岸裕幸, 村口篤
Organizer
第32回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20091209-20091212
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