2008 Fiscal Year Annual Research Report
異常型プリオンタンパク試験管内増幅法によるプリオン病の早期診断法の開発
Project/Area Number |
20390287
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
新 竜一郎 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90452846)
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Keywords | プリオン / 異常型プリオンタンパク / 早期診断 |
Research Abstract |
今期研究ではrHuPrP(recombinant human PrP)とCJD患者由来の検体(Creutzfeldt-Jakob disease)を用いて異常型プリオンタンパク試験管内増幅法(QUIC法)の条件検討を詳細に行った。まずThTの蛍光強度測定による簡便でかつreal-timeにrPrP-resを検出できるアッセイ系(real-time QUIC)の開発を試みた。QUIC法では間欠的に攪拌を繰り返すことによりrPrP-resの増幅反応を促進するが、攪拌装置付の蛍光プレートリーダーを使用することによっても増幅可能かどうかをまず検証した。その結果すでに以前の論文(Nature Methods.2008Mar;5(3):211-2.)で報告したSDSを含む反応条件では蛍光プレートリーダーの攪拌機能が十分でなく、増幅できないことがわかった。つまりSDSを含む反応条件の場合、より強い攪拌が必要であった。そこでSDS以外の条件で効率よく増幅される条件を探索した。その結果、尿素やグアニジン塩酸を加えた場合にrPrP-resの増幅が容易に起こることが判明した。しかし、シードなしの条件でも自然発生的にrPrP-resがかなり早期より形成されてしまい(spontaneous formation)、検出感度を上げることが困難であった。そこで様々な反応条件、特に反応溶液の組成(変性剤の濃度、pH、添加物など)を変えてreal-time QUICを行い、spontaneous formationは抑制するが、シード依存的な増幅反応は抑制しない条件を検索した。その結果、検出感度を大きく高めることに成功した。
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