2008 Fiscal Year Annual Research Report
HIV増殖に必須の酵素の形成ダイナミックス研究とその阻止剤の構造学的デザイン
Project/Area Number |
20390288
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
満屋 裕明 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20136724)
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Keywords | 感染症 / HIV / エイズ / HIV蛋白の自壊 / 創薬 |
Research Abstract |
蛍光蛋白CFP/YFPが組み込まれたprotease(PR)を有する感染性組み換えHIV-1クローンを利用したfluorescence resonallce energy transfer (FRET)の系を用いてPR dimerizationを検出する評価系を確立。これに構造学的アプローチを組み合わせることでPR dimerizationを阻害する一群の新規低分子化合物(PDIs)を同定・開発すると共に、前述の組み換えHIVクローンのPRに様々な変異を導入し、感染性やPR dimer構造の安定性を確認することで、PR dimerizationに多大な影響を与えるとされるアミノ酸やPDIs耐性関連変異アミノ酸の詳細な解析を進めた。その結果darunavir(DRV)が野生PRの活性中心部位のAsp29、Asp30の主鎖と強固な水素結合を形成、更にPRのdimerizationに重要なアミノ酸であるAsp29と2つの水素結合を形成することで、PR活性の阻害効果のみならずPR前駆体が成熟するために必須の過程であるdimerizationをも阻止するbi-functional protease inhibitor(PI)であることを見いだした(Koh & Mitsuya et al.J Biol Chem.282:28709-20,2007)。最近では、DRVとは異なる基本骨格cyclopentanyltetrahydrofuran(Cp-THF)を有し、多剤耐性臨床分離HIV-1株に対して、野生株と同等(EC_<50>値で2倍以内)の高い活性を発揮する新規PI,GRL-02031を開発(Koh,Deb & Mitsuya et al,AAC.2009)、結晶構造解析にて本剤がHIV-1 PRの活性中心部位に2つの異なる結合様式で結合することを明らかにし、このことが本剤の薬剤耐性HIVに対して高い活性を発揮する機序の一因と考えた。さらに、試験管内あるいは臨床でDRVに対するHIVの耐性獲得は極めて困難であることが報告されているが、我々は複数の多剤耐性臨床分離株のmixtureを用いてDRV高度耐性HIVの試験管内誘導に初めて成功し、複数の多剤耐性臨床分離株の遺伝子相同組換えと重感染が起こってHIV-1がDRV高度耐性を獲得することを明らかとした(投稿中)。
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Research Products
(10 results)