2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達異常による先天奇形症候群の分子遺伝学的解明
Project/Area Number |
20390290
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 洋一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10205221)
青木 洋子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80332500)
|
Keywords | 遺伝子診断 / RAS / MAPK / シグナル伝達 / 遺伝子変異 / 癌遺伝子 / 疾患モデルマウス |
Research Abstract |
当該研究の目的は、本研究者らが世界で初めて原因遺伝子を同定したコステロ症候群とcardio-facio-cutaneous(CFC)症候群、およびその類縁疾患であるヌーナン症候群について、1)網羅的遺伝子解析による疾患概念を再構築すること、2)新規病因遺伝子を同定してこれらの疾患における遺伝子診断システムを確立すること、3)疾患モデルマウスを作成してその表現型を解析することである。本年度も昨年に引き続いて網羅的遺伝子解析を実施し、患者300人を対象に、既知の原因遺伝子PTPN11,HRAS,KRAS,BRAF,MEK1,MEK2,SOS1および新規に同定されたRAF1,SHOC2の9種類の遺伝子について包括的遺伝子解析を行った。その結果、180人(60%)において遺伝子変異を明らかにすることができた。この遺伝子解析結果をもとに、臨床的に遺伝子診断を実施するためのフローチャートを試作した。また、ヌーナン症候群の患者18人で同定されたRAF1遺伝子変異について、臨床症状との相関と変異蛋白の機能解析をおこなった。RAF1遺伝子変異を持つ場合、他の遺伝子異常に比べて肥大型心筋症と低身長の合併頻度が有意に高かった。変異RAF1蛋白では抑制性のS259部位のリン酸化が低下しており、そのためにRAF1活性抑制に重要な14-3-3蛋白との結合が低下し、非刺激時にも下流のERKを活性化していることが明らかとなった。次に、コステロ症候群のモデルマウスとしてHRAS遺伝子変異ノックインマウス、CFC症候群のモデルマウスとしてBRAF遺伝子変異ノックインマウスの作製をおこなった。後者については本年度その作成に成功し、現在詳細な解析を実施中である。
|