2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゴーシェ病モデルマウスを用いたケミカルシャペロン療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
20390297
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大野 耕策 Tottori University, 医学部, 教授 (70112109)
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Keywords | ゴーシェ病 / シャペロン / 経口治療薬 / モデルマウス / リソゾーム |
Research Abstract |
低分子化合物N-octyl-β-valienamine(NOV)は、ゴーシェ病の原因酵素であるグルコセレブロシダーゼの変異の中で、一部のミスセンス変異酵素の活性を上昇させることを報告した。この変異酵素の活性上昇は、NOVが、変異酵素に結合し、その折り畳み構造を変化させて安定化するシャペロンとして働くと考えてきた。NOVは脳内移行可能で、ゴーシェ病の中枢神経症状に有効である可能性があり、本研究の成果は、ライソゾーム病中枢神経症状治療薬の開発出来る可能性があり、変異酸性β-グルコシダーゼに対するケミカルシャペロン療法の開発を目指した基礎的研究を行うことを目的とする。 21年度は、NOV以外の新規のケミカルシャペロンの開発のために、新たにスペインのセビリア大学と共同して新規化合物のスクリーニングを行い、二環系ノジリマイシン(Luan Z, et al., ChemBioChem 2009)が新たなシャペロンとなることを明らかにし、N188S、F213I、N370S、G202R、N120W変異に対しては有効で、日本人ゴーシェ病2-3型の20%の中枢神経症状の治療薬となることを確認した(Luan Z. et al., Blood Cells Mol Dis 2010)。 20年度~21年度にかけ、アメリカNIHで作成されたグルコセレブロシダーゼノックアウトマウスとヒトグルコセレブロシダーゼcDNAにF213I変異を導入したトランスジェニックマウスを作成し、交配によってマウスグルコセレブロシダーゼノックアウト/ヒトF213Iグルコセレブロシダーゼを発現するマウスを作成したが、変異F213I変異を発現するマウスを作成出来なかった。この原因は明らかではないが、マウス細胞へ導入したF213IcDNAが産生する酵素蛋白質がライソゾームへ移動しないことが確認され、導入された遺伝子の発現に異常を来している可能性が考えられた。ゴーシェ病モデルマウスの作成については作製方法などの戦術の転換が必要になっている。
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Research Products
(3 results)