2009 Fiscal Year Annual Research Report
Survivinを標的とした活性型Flt3陽性造血腫瘍に対する新たな治療戦略開発
Project/Area Number |
20390298
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
福田 誠司 Shimane University, 医学部, 准教授 (30273147)
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Keywords | 急性白血病 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / Survivin / ITD-Flt3 |
Research Abstract |
本研究では、ITD-Flt3陽性造血腫瘍と白血病幹細胞でのSurvivinの機能解析を行い、SurvivinとITD-Flt3に対する分子標的療法が、ITD-Flt3陽性造血器腫瘍の新たな治療戦略となりうるかに関して明らかにする。H21年度は以下のような研究を行なった。 1. 正常造血前駆細胞で機能的にSurvivinの下流に存在するp21^<CDKN1>がSurvivin同様ITD-Flt3シグナルを制御するかをp21ノックアウトマウス骨髄を用いて解析した。Survivinとは対照的に、p21はITD-Flt3シグナルを抑制的に制御すること、これに対して、正常型Flt3のシグナルはSurvivinと同様に促進的に制御することを見出した。これは、Survivinとp21機能は正常造血前駆細胞増殖に対して共に促進的な機能を持つが、ITD-Flt3により腫瘍化された造血前駆細胞においてはお互いに拮抗する機能を持つことを示す。また、p21機能が正常細胞と腫瘍化細胞で異なるということも示唆する。 2. 正常造血幹細胞におけるSurvivin機能を明らかにする為に、Survivinノックアウトマウス由来の造血幹細胞分画における遺伝子発現とコントロールを比較し,bioinformaticsにより機能的な分類を行なった。また、Survivinにより統計学的な有意な変化を及ぼす定義されるシグナル経路(KEGG)を明らかにした。更に、Survivinがこれまでには報告されていなかった機能的な分子群、例えば転写関連の分子の発現にも関わることを見出した。
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Research Products
(5 results)