2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390300
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
南沢 享 Waseda University, 理工学術院, 教授 (40257332)
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Keywords | 発違小児科学 / 小児循環器学 / 骨格筋・平滑筋 / 未熟児医学 / 新生児医学 / 血管病態学 / 分子生理学 / 生理活性物質 |
Research Abstract |
動脈管の開存、閉鎖の詳細な機序を理解することは、小児医療上、非常に重要である。時間的に異なる2つの過程が動脈管の閉鎖を制御している。非常に早い閉鎖過程として血管収縮があり、時間をかけておこる閉鎖過程として、遺伝子蛋白質レベルでの変化に由来する血管構造の変化がある。本研究では、動脈管の閉鎖の分子機構、特に血管構造の変化をきたす制御因子を同定し、内膜肥厚に及ぼす機序を解明することを目的とした。 1)プロスタグランジン刺激による血管リモデリング ラット動脈管培養平滑筋細胞を用いた研究において、動脈管血管拡張を促すプロスタグランジン刺激が、アデニル酸シクラーゼを活性化させ、ヒアルロン酸産生を促し内膜肥厚を促進する。動脈管では2型と6型のアデニル酸シクラーゼが有意に発現していたが、6型のアデニル酸シクラーゼがPKA活性とp38活性を増加させて、内膜肥厚を促進することを見出した。さらに2型アデニル酸シクラーゼは、6型のアデニル酸シクラーゼによる内膜肥厚作用を抑制する作用があることを見出した。この結果によって、アデニル酸シクラーゼのサブタイプ活性を選択的に調整することで、動脈管リモデリングを制御出来ることが示唆された。 2)酸素化による血管内膜肥厚 出生後の血液中酸素濃度上昇に伴い、T型カルシウムチャネル、特にα1Gチャネル活性が亢進ことやFGF分泌を促すことによって、細胞遊走能が亢進することを見出した。 本研究成果によって、内膜肥厚形成を含め、解剖学的閉鎖の分子機序が明らかになれば、従来の血管拡張収縮制御機序に基づく治療法とは異なる、新たな治療法の開発へとつなげてゆくことが可能となる。
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Research Products
(17 results)