2009 Fiscal Year Annual Research Report
動脈管酸素感受機構におけるシグナル伝達のプロテオミクス
Project/Area Number |
20390303
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中西 敏雄 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (90120013)
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Keywords | プロテオミクス / 動脈管 / 酸素感受性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、動脈管が酸素を感受して収縮する機構のシグナル伝達系を解明することである。本研究においては、動脈管における1)Kチャネル、2)小胞体、3)筋原線維のCa感受性、を制御するシグナル伝達系の構成タンパク質群を質量分析計TOF/MSを含めたプロテオミクス手法を用いて解明し、肺動脈と比較する。本年度は電位依存性L型Caチャネル(Cav1.2)を研究対象とする。 1.Cav1.2抗体の調製 GST結合ヒトCav1.2(N末100アミノ酸又はC末100アミノ酸)をそれぞれ2匹の家兎に投与し、計4匹から抗血清を得たので、NUS結合同投与ペプチドを用いてアフィニティ精製を実施したところ、Cav1.2N末、C末ペプチドに反応する2種類のポリクローナル抗体を得た。 2.Cav1.2のクローニング ヒトCav1.2(variant 1)は、coding region 6666 bp、アミノ酸残基数2222、タンパク質の分子量およそ249kDaと巨大であるため、全coding regionのクローニングは、5'側、3'側の2部分に分けて実施した。最終的に、coding regionを1ヵ所のみで切断する制限酵素(SpeI)サイトを用いて全Cav1.2の発現ベクターへのクローニングに成功した。NおよびC側のCav1.2もそれぞれ発現ベクターに挿入されており、Cav1.2の部分タンパク質の発現に用いることができる。 3.Cav1.2のHEK293細胞における発現 HEK293細胞にヒトCav1.2発現ベクターを導入したところ、作製したCav1.2抗体で検出することできた。現在、Cav1.2複合体の抽出を昨年度の膜電位依存性カリウムチャネル複合体の際用いた手法で実施検討している。
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