2010 Fiscal Year Annual Research Report
動脈管酸素感受機構におけるシグナル伝達のプロテオミクス
Project/Area Number |
20390303
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中西 敏雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90120013)
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Keywords | プロテオミクス / 動脈管 / 酸素感受性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、動脈管が酸素を感受して収縮する機構のシグナル伝達系を解明することである。 本年度の主な成果 1) 複合体免疫沈降法の改善と等電点・SDS型2次元電気泳動法の併用 これまで「biotin標識特異抗体-monomeric avidin-agarose beads」を複合体の免疫沈降に用いていたが、agarose beadsに非特異的吸着が多かった。そこで「Desthiobiotin標識特異抗体-streptavidin-magnetic beads」を採用したところ、非特異的吸着が減少し免疫沈降に要する時間も格段に短くなった。加えて等電点・SDS型2次元電気泳動法を複合体構成タンパク質の分離に併用したことにより、電位依存性カリウムチャネルKv1.5および電位依存性L型Caチャネル複合体構成タンパク質候補を家兎心組織から複数発見した。 2) Rhoパスウェイ、筋小胞体構成タンパク質の発現量をリアルタイムPCR法により測定 未熟児のDAは生後の血中酸素濃度の上昇にも関わらず、収縮能が弱い。小胞体や筋原線維のCa感受性のシグナル伝達を検討するためには、数多いパスウェイメンバーからターゲットを絞り込む必要がある。そこで胎生21,27,30日の胎仔家兎のDAとPAについて収縮弛緩制御機構の主なメンバーのmRNA発現量を測定した。DAやPAのRhoパスウェイではRhoB、 Rho kinase 1が主要な担い手であり、発達に伴う変動は少なかった。小胞体でCa貯蔵を担うカルセクエストリン1と2の発現は低く、DAではボスホランバンはごく低いがカルモジュリンはPAに比べて高発現という特徴が判明した。リアノジン受容体2は概ね発達に伴い発現が増加した。これらの結果を踏まえ、Rhoパスウェイのシグナル伝達機構の解明のためにRhoB複合体の免疫沈降を計画し、現在家兎RhoB抗体を作成中である。
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