2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390304
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋山 真志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (60222551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
阿部 理一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60344511)
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Keywords | 遺伝子 / 角化 / 魚鱗癬 / 胎児治療 |
Research Abstract |
1)ABCA12ノックアウトマウス(魚鱗癬モデルマウス)新生児に対する正常ABCA12遺伝子導入による治療実験 naked DNA法、liposome法、遺伝子ベクター含有ペースト外用等を用いて、前年度作成したリポーター遺伝子、ならびに、正常ABCA12遺伝子を、ABCA12ノックアウトマウス新生児の皮膚に導入し、その表現形の改善を目指した。遺伝子治療効果は、罹患新生児の生命予後を評価するとともに、経時的に皮膚生検を施行、ABCA12遺伝子の発現を確認した。さらに、電子顕微鏡的観察など、形態学的に表現形の改善を評価した。 2)ABCA12ノックアウトマウスに対する胎児治療実験 罹患胎児を妊娠している母マウスにおいて、妊娠後期に、正常ABCA12遺伝子(naked DNA、liposome等)を羊水中に、あるいは、胎児に直接投与した。さらに、母マウスに、レチノイドを経口、あるいは、羊水中に投与する実験を施行した。妊娠後期は、魚鱗癬の病変が発現する時期であると同時に、レチノイドの催奇形性を排除できる時期である。本研究においては、これらの胎児治療実験の結果、罹患新生児が出生し、有意な表現形の改善、予後の改善は認められなかった。 3)研究結果の総括と臨床応用への可能性の評価 今回の研究によって得られた結果から、遺伝子治療に関しては、最善と考えられる導入遺伝子、遺伝子導入法をまとめた。さらに、導入遺伝子の発現、遺伝子導入の効果、ならびにその持続時間について評価した。また、今回の結果から予想される本研究で用いる遺伝子導入法による副作用もまとめた。これらのデータから、本方法の実際の臨床応用の可能性につき考察した。 さらに、胎児療法に関しても、同様に、データを総括した。有効な胎児治療法の確立は今後の課題である。
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Research Products
(11 results)