2010 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス潜伏感染による疾患スペクトラムと病態解明
Project/Area Number |
20390307
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩月 啓氏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80126797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 一恭 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (70452571)
鈴木 大介 岡山大学, 岡山大学病院, 医員 (40549820)
白藤 宜紀 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (90423285)
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Keywords | EBウイルス / 潜伏感染 / γδT細胞 / NK細胞 / リンパ腫 / 種痘様水疱症 / 蚊刺過敏症 / 慢性活動性EBウイルス感染症 |
Research Abstract |
1.EBウイルス潜伏関連抗原と宿主免疫反応の解析:EBウイルス感染細胞を独自の方法で解析した結果、種痘様水疱症においてはγδT細胞にEBVが感染し、蚊刺過敏症ではNK細胞にEBVが感染していることが明らかになった(論文準備中)。重症症例の皮膚病変では,EBウイルス(EBV)が潜伏感染から溶解感染に移行することによって発現する新たなEBV抗原が宿主免疫応答を誘発し、激しい炎症反応を起こすことを証明した(論文準備中)。一方、種痘様水疱症では潜伏感染1からIIへ移行することが炎症反応を誘導する可能性が考えられ、研究を継続している。2.ウイルス感染細胞の宿主免疫回避とアポトーシス阻害機序:樹立したEBV感染NK細胞株(NKED)は,NK細胞受容体のNKG2Dを欠如するため低細胞傷害性を示すが,炎症惹起性サイトカインを放出した(Exp Hematol掲載)。EBV感染細胞の違い(上皮系、リンパ球系など)によってBARFOの発現が異なり(論文投稿中)、miRNAとして感染細胞の増殖やアポトーシスを制御している可能性を見出した。3.潜伏感染の生物学的意義:内因性レトロウイルス遺伝子発現は期待された結果が得られず、研究を中断した。4.臨床統計に関する研究:種痘様水疱症、蚊刺過敏症の診断拠点として,全国・海外から送付される検体の診断と臨床的解析を実施した。皮膚・粘膜・消化管病変について新知見を得た(論文投稿中)。5.新規治療に関する研究:EBウイルス感染細胞株に対するHDAC阻害薬の効果は,ウイルス感染細胞に対する増殖抑制効果はアポトーシス誘導ではなく細胞周期のG1停止であることを見出した(論文執筆中)。
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Research Products
(20 results)