2009 Fiscal Year Annual Research Report
未だに未同定であるIEN型IgA天疱瘡と抗p200類天疱瘡の抗原解析
Project/Area Number |
20390308
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
橋本 隆 Kurume University, 医学部, 教授 (20129597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安元 慎一郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (10220162)
辛島 正志 久留米大学, 医学部, 講師 (70211175)
濱田 尚宏 久留米大学, 医学部, 講師 (40320204)
石井 文人 久留米大学, 医学部, 助教 (80330827)
大山 文悟 久留米大学, 医学部, 助教 (90461441)
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Keywords | プロテオーム / 免疫学 / 蛋白質 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / ケラチノサイト / デスモソーム / ヘミデスモソーム |
Research Abstract |
はじめに、抗p200類天疱瘡の抗原がラミニンガンマ1であることをプロテオミクス手技で同定したので、次に、マウスのラミニンガンマ1のC末端部をコードするcDNAを単離し、大腸菌発現系を用いて、リコンビナント蛋白を作成した。このリコンビナント蛋白をラビットに免疫して特異抗体を作成した。このラビット血清は、蛍光抗体法と免疫ブロット法で、非常に高い抗体価の特異抗体を有していることを確認した。この抗血清を多数の新生マウスに投与して水疱形成を生じる可能性を検討した。その結果、この特異抗体がマウスの基底膜部に反応することを確認し、患者皮膚と同様の炎症反応を検出した。しかしながら、マウスにはっきりした水疱形成が見られなかったことから、今後さらに、抗原蛋白を直接マウスに反復投与する動物モデルを行うこととした。 IEN型IgA天疱瘡の抗原解析に関しては、免疫ブロット法と免疫沈降法を用いた2次元電気泳動法で、多数の患者血清が、約120kDaの分子量の蛋白と特異的に反応することを見出した。この蛋白スポットを質量解析で解析し、その蛋白がケラチノサイトの膜蛋白であることを同定した。この蛋白について、特異抗体を作成し、その特異抗体の反応を患者血清の反応と比較して、実際の抗原蛋白である可能性を検討した。すなわち、二次元電気泳動法で、患者血清と特異抗体が反応するスポットが同一であるかどうか確認し、免疫電顕法で、患者血清と特異抗体が反応する抗原の超微細構造が同一であるかどうか確認した。その結果、この蛋白が自己抗原である可能性が高いことを見出した。さらに、次年度は、確認のための追加の生化学的検査を行う。一方、この蛋白以外にも、複数の患者血清の反応する蛋白を同定した。今後、これらの蛋白についても、プロテオミクス手技を用いて蛋白を同定し、その蛋白が自己抗原であることの確認検索を行う。
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Research Products
(20 results)