2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症と気分障害における意欲症状の脳基盤の解明と改善のためのNIRS研究
Project/Area Number |
20390310
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
福田 正人 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20221533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三國 雅彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00125353)
上原 徹 群馬大学, 健康支援総合センター, 准教授 (60303145)
亀山 正樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00455982)
結城 直也 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20420193)
高橋 啓介 群馬大学, 医学部, 助教 (20455984)
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Keywords | 統合失調症 / 気分障害 / 意欲 / 近赤外線スペクトロスコピィ |
Research Abstract |
統合失調症や気分障害における意欲症状の脳基盤を解明するために、健常者や精神疾患患者を対象として頭部用の多チャンネル近赤外線スペクトロスコピィ(NIRS)やMRI装置を用いて大脳皮質の賦活反応性や脳構造について検討を行なった。(1)健常者においてMRIで評価した脳体積とParental Bonding Inventory (PBI)で評価した幼小児期の養育環境の関連を検討すると、左半球の背外側前頭前野の灰白質体積が父親のケアと正の相関を、父母の過保護と負の相関を示すこと(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, in press)、(2)健常者を対象にNIRSで測定した初対面の相手との会話中の脳賦活は、Temperament Character Inventory(TCI)で評価した協調性の性格特徴と特に前頭極付近で負の相関を示すこと(Neuropsychologia 48:441,2010)、(3)双極性障害ではMEGにおけるミスマッチ陰性成分MMNmの潜時延長が認められ、前注意過程の障害を反映すると考えられること(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 34:903,2010)、(4)摂食障害を対象に言語流暢性課題を用いてNIRSで測定した脳賦活とEating Attitude Scaleで評価した臨床症状との関連を検討すると、ダイエット心理が右前側頭領域の低賦活と、食行動異常が左前頭眼窩領域の低賦活と関連すること(J Psychiatr Res 44:547,2010)、などを明らかにした。以上の結果から、健常者における意欲や精神疾患患者で認められる意欲症状が、前頭葉の賦活反応性や体積と関連していることが明らかとなった。
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Research Products
(30 results)