2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子受容体の精神疾患における役割に関する研究
Project/Area Number |
20390318
|
Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
功刀 浩 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第三部, 部長 (40234471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼川 忠広 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第三部, 室長 (40425690)
藤井 崇 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第三部, 科研費研究員 (10450610)
|
Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 脳神経疾患 / 薬理学 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
本研究では、脳由来神経栄養因子などのニューロトロフィンとその受容体の精神疾患における役割を明らかにすることを目的として研究を行なった。そこで、ニューロトロフィン共通の低親和性受容体であるp75NTRを前脳特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスを作成した。トランスジェニックマウスの確認はまずサザンプロットによって行なった。これらはウエスタンブロットと免疫組織化学的染色による実験から、目的とする大脳皮質、海馬での過剰発現が見られること、小脳ではそのような発現が見られないことも確認できた。病理解剖の結果、脳の形態に際立った異常は認められなかった。行動解析については、独立行政法人理化学研究所・バイオリソースセンター マウス表現型解析開発チームの協力を得た。そこで、明暗往来試験、オープンフィールドテスト、ホームケージテスト、受動的回避学習試験、尾懸垂試験、ホットプレートテスト、テールフリックテストの解析を行い、活動性が増大するという結果が得られている。これらマウスに関してはp75NTRを過剰発現させている海馬でマイクロアレイによる解析を行なった。これまで大うつ病性障害と関係して発現に変化が得られると期待される遺伝子で有意な発現量の差が得られ、今回作成したマウスの精神疾患モデルマウスとしての有用性を裏付けてくれている。さらに、機能多型Ser205Leuと大うつ病性障害についての関連をオリジナルのサンプルからとメタ解析による結果として報告した。
|
Research Products
(3 results)