2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射を生き延びた癌細胞に秘められた謎:癌根絶への多角的アプローチ
Project/Area Number |
20390319
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西岡 健 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80271659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 永 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00292045)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (90239765)
本間 明宏 北海道大学, 病院, 講師 (30312359)
堤 香織 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (80344505)
酒井 正春 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (50162269)
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Keywords | Radiotherapy / irradiation / TGFB-1 / 細胞形態 / 細胞運動 |
Research Abstract |
QRsP(mouse sarcoma cell line)にX線により10Gyを照射し、コロニーをいくつか採取した。このうち最も放射線に耐性を示したクローン(QRsP-IR)と親株を3次元コラーゲン中で培養し細胞形体を位相差顕微鏡で観察し、コロニーがspheroid(球状)およびnon-spheroid(多数の突起を出している)に分類した。それぞれ50個のコロニーを観察したところ、親株のspheroidの比率は80%であり、QRsP-IRは16%であった(p<0.01)。 細胞形体をつかさどる分子を解明するのは困難であるが、例として培養液にHGFを40nMになるように処理をし、6日間培養したのち、コラーゲン中で培養したところ、すべてのコロニーがnon-spheroid形体を示した。親株とIR株において細胞分泌物に違いがないかを検証するため、2次元フラスコ培養下における親株とIR株の培養培地を銀染色した。銀染色の手法に定量性はないものの、75kDおよび25kD付近において、親株はIR株よりも何かしらのタンパク質を多く発現している可能性が示唆された。親株とIR株において細胞塊形態を変化させている因子を特定するため、培養6日目の試料からmRNAを抽出しRT反応を行い、PCR反応を用いmRNAの発現に着目した。細胞形態に関連があるとされるHGF, cMET, VEGF, EGF, FGF-1, FGF-2, TGFβ-1の発現の差を調べたところ、親株ではTGFβ-1が発現しているのに対しIR株では発現が見られなかった。また親株においてc-MET, FGF-2の発現が強いことが判明した。
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Research Products
(3 results)