2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射を生き延びた癌細胞に秘められた謎:癌根絶への多角的アプローチ
Project/Area Number |
20390319
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西岡 健 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80271659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 永 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00292045)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (90239765)
本間 明宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30312359)
堤 香織 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (80344505)
酒井 正春 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (50162269)
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Keywords | irradiation / p16 / repopulation / mitosis / MMP / HIF1-alpha |
Research Abstract |
放射線を照射し生き伸びた細胞はある期間を経て急に増殖スピードがます。この現象は"Re-population"とよばれている。1963年から知られている概念であるがその分子メカニズムは知られていなかった。急速な増殖は放射線治療において再発、残存の原因となる。今回QRsPというマウス肉腫細胞を用い、まず10Gyを照射し放射線耐性株を作成した。これら耐性株と全く照射を行わなかった親株との間でcDNAアレイを施行した。その結果細胞周期のブレーキ役であるCNDN(p16,p57)のmRNA発現上昇がみられ、またこの結果はqPCRによっても確認され、臨床上、放射線生物学上の謎を少しでも解明できたと考えている。されに興味深いことには耐性株において腫瘍の周囲の組織を溶解するMMPの発現が高まっていることである。つまり放射線耐性株はcell cycle,invasionにおいてより悪性度が高まったといえる。ではなぜ悪性化するのか、われわれは放射線耐性株において恒常的にHIF1-alphaが高まっていることを発見した。cDNA arrayを用いてIR細胞において発現の高いmRNAを調べたところ間質を融解するmatrix metalloproteinase(MMP)の発現が顕著であった。研究代表者は臨床的に低酸素細胞の存在が悪性腫瘍の根絶に障害となっていることをヒントにHIF-1alphaによるMMP1の転写活性をLuciferase assayをもちいて調べた。その結果、IR細胞においてHIF-1alphaによるMMP1のpromter活性が顕著に高まっていることを発見した。別の表現をすると、低酸素下で腫瘍塊に存在する低酸素細胞が放射線治療や化学療法に耐性をもつため再発や残存、転移の原因となると考えられる。
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Research Products
(1 results)