2011 Fiscal Year Annual Research Report
がんに対する重粒子線治療の治療方法確立のためのトランスレーショナル研究
Project/Area Number |
20390324
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中野 隆史 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20211427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 英幸 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50235222)
高橋 健夫 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70241883)
鈴木 義行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60334116)
石川 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70344918)
石内 勝吾 琉球大学, 医学部, 教授 (10312878)
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Keywords | 重粒子線 / 放射線治療 / 放射線生物学 / 粒子線治療 / 放射線腫瘍学 |
Research Abstract |
1)培養正常脳神経細胞における炭素イオン線のX線に対する生物学的効果比(RBE)は約10であった。照射直後より軸索の細小化とシナプス形状が変化が認められ、アクチン・フィラメントの脱分極が主たる原因であると推測された。 2)肺がん細胞の急性極低酸素条件(0.1mmHg以下、1時間)での酸素効果比(OER)は約2.7で、慢性極低酸素条件(同、24時間以上)でのOERは約2.6であった。mTOR抑制剤の併用によりX線のOERは1.1に低下したが、炭素イオン線では、mTORの併用による変化は認められなかった。 3)発達期のラット小脳培養組織において、小脳組織の形態を経時的に観察し、炭素線による効果はX線の効果に比べ約1.4倍大きかった。 4)尿トリプシン阻害剤によるマウスにおける放射線誘発肺線維症の防護効果の研究では、C57BL/6マウスを用い,尿トリプシン阻害剤(urinary trypsin inhibitor ; 以下UTI)投与による肺照射後の放射線肺線維症の抑制効果およびその至適な投与時期について検討を行い、UTI投与によってTGF-βの発現が抑制され,その結果として放射線肺線維症の発現が抑制されている可能性が示唆された。 5)術前化学放射線療法とhypertherm-(HCRT)で治療した50名の局所進行直腸癌患者におけるHIF-1α発現の予後的意義に対する腫瘍の応答の予測値を評価した。結果:正のHIF-1αの発現は症例の42.0%(21/50)に認められ、HIF-1α-陰性群の3年生存率率は、HIF-1α陽性群では60.6%に比べ85.2%で有意に良好であった。3年無再発生存率も同様であった。さらに、HIF-1αの発現が有意に多変量解析で無再発生存と無転移率との相関が認められた。結論:HIF-1α発現は、HCRTで治療された直腸癌患者の無再発生存と無転移率を予測可能性がある。
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Research Products
(25 results)