2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性膵がんに対する革新的膵潅流療法システムの開発
Project/Area Number |
20390331
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
村田 智 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (80322501)
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Keywords | 灌流療法 / 膵癌 / blood concentration-time curve / Drug delivery system / Interventional Radiology |
Research Abstract |
難治性がんの代表といえる膵癌に対し、Interventional Radidogyの技術を用いて特異的に標的臓器である膵のみに薬剤曝露を可能とさせる世界初のDrug delivery systemの開発を目的としている。今年度は、2つの実験系を行った。 実験1)膵を栄養する動脈を一本化する研究では、脾動脈、胃動脈をコイルで塞栓し、腹腔動脈および総肝動脈をバルーンカテーテルで一時的に閉塞することにより、膵の動脈は背側膵動脈で一本化が可能であることが確認された。 実験2)膵の血液流出路は脾静脈または脾静脈の門脈流入部であることが確認され、実験1での背側膵動脈から注入されたシスプラチンは脾静脈の門脈流入部に流出することから膵灌流療法システムを作成した。内容は、経皮経肝的に門脈を穿刺して人工心肺装置を用いて膵閉鎖循環を作成した。背側膵動脈に注入されたシスプラチンは流出路から回収され、膵のみを標的臓器とする膵灌流療法システムは可能であることが実証された。5頭の実験データからは膵へのプラチナ濃度は劇的に高濃度でarea under the blood platinum concentration-time curve(AUC)は膵外(全身系に漏出した)のシスプラチンのAUCと比較すると約150倍となり、全身系に漏出するシスプラチンは劇的に減少した。また、膵灌流療法後に膵および肝・消化管を摘出して病理学的検討も行ったが臓器障害は認められず、膵灌流療法システムはほぼ完成したと言える。現在、膵灌流療法システムを完成させるために、さらに5頭の追加実験を行っている。今年度の研究結果から特許性が非常に高いと考えられたため、米国への特許申請を行った。
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