2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁界印加を引金に薬剤を放出する機能性微粒子を用いた癌治療戦略
Project/Area Number |
20390338
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
南谷 佳弘 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30239321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 純一 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20112774)
齋藤 元 秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
澤田 賢一 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90226069)
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Keywords | 癌 / ナノテクノロジー / 機能性微粒子 / 抗がん剤 / 磁性体 |
Research Abstract |
外科療法を含めて,現在行われている癌に対する治療は,癌のみではなく正常組織にも障害を及ぼす.この点を克服するために神奈川大学理工学部の川口研究室との共同研究を行い,外部から強い磁界を印加すると中心に存在する磁性体が発熱して薬剤を放出する機能性微粒子を試みた.昨年度に引き続きポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)を温度感受性材料として,また外部磁界印加に反応して発熱する材料としてフェライト粒子を用いて複合粒子を作成した.粒子の作成はPNIPAMシェル/PGMAコアのマイクロゲルを作製した後に,粒子内で磁性体を生成する方法を用いた.粒子の大きは約50nmとした.秋田大学工学資源学部の協力のもと外部磁界を印加した時の粒子の発熱特性を検討した.磁界を最大の600A,周波数は189kHz,磁束密度は42mTの条件で印加したが,十分な発熱が得られなかった.今年度は粒子内に含ませる抗癌剤としてドキソルビシン,メトトレキセート,メルファラン,ビンクリスチンで検討した.メルファランとビンクリスチンは,粒子内に含ませたのちに温度変化で放出することはできなかったが,ドキソルビシンとメトトレキセートは放出可能であることがわかった.この研究はさらに継続して粒子と抗がん剤の組み合わせを検討する予定である.また磁界印加で粒子の温度が上がらなかったことから,粒子内部に磁性子を含ませる方式から外部に発熱効率の良い大きな磁性粒子を置く方法を検討中である.
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