2008 Fiscal Year Annual Research Report
胆道系悪性腫瘍の腫瘍表面分子を標的とする新しいイムノトキシン療法の開発
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20390339
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
正田 純一 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90241827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 浩司 京都大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70422318)
小田 竜也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20282353)
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Keywords | 肝内胆管癌 / サイトトキシン / インターロイキン-4 / 緑膿菌毒素 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
肝内胆管癌は早期発現が困難であり,また,進行癌では化学療法や放射療法に対して抵抗性を示す事が多いことより,難治性の癌と位置付けられている.その治療成績の向上には,新しい有効な治療手段の開発していくことが重要である.Pseudomonas Extoxin(PE)緑膿菌由来の外毒素であり,PEとIL-4を結合したIL-4收容体標的である.Pseudomonas Exotoxin(PE)は緑膿体由来の外毒素であり.PEとIL-4を結合したIL-4收容体標的サイトキン(IL-4-PE) は、IL-4收容体を高発現する腫瘍細胞に対して効率的な殺細胞効果が報告されている。肝内胆管癌を含む胆管癌の臨床標本におけるIL-4收容体の発現と胆道癌細胞株に対するIL-4-PEの細胞障害性について検討した。肝内胆管癌を含むヒト胆道癌症90例におけるIL-4收容体の発現をWestern blot法にて解析した。IL-4-PEの効果について[3H]-leucine incorporationによる蛋白合成阻害の程度より検討した。nudemouseを用いた皮下腫瘍モデルと腹膜播種チデルにおいて、IL-PEの抗腫瘍効果を評価した。 胆内胆管癌におけるIL-4收容体はその63%に発現が確認され,組織型おや癌進行度による差異は認められなかった。肝外胆管癌および胆?癌における発現頻度はそれぞれ50%,60%であった。一方,正常肝内胆管をよび胆嚢上皮ではIL-4收容体の発現は,免疫組織化学をよびWestern blot法 の解析において認められなかつた。また,癌組織標本を用いたWestern blot法においてもその発現 が確認された。胆道癌細胞株ではIL-4收容体はWestern blotにより8腫の細胞株すべてに発現が認められ,特に3腫で「高発現であった。IL-4-PEを用いた細胞障害実験では、收容体発現レベルの高い上記3腫を含む4腫の細胞株で良好な蛋白合成阻害作用を示した。さらに,その発現レべルの高い胆嚢癌細胞を選択し,nude mouse皮下腫瘍チデルにおける抗腫瘍効果を,腫瘍内投与あるいは腹腔内投与により検討したところ,いずれの投与方法にても,IL-4-PE治療群では有意に腫瘍径の縮小が認められ,特に腫瘍内投与により、median survival periodは治療群で14週となり,コントロール群の5週に比較して有意に延長することが確認された。肝内胆管癌をはじめとする胆道癌においては,IL-4收容体の発現が高率に認められた。IL-4收容体を標的としたサイトキシン療法(IL-4-PE)は,肝内胆管癌に対する新規治療としての有用であるとが示唆された。
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Research Products
(4 results)