2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん診断・治療におけるマイクロRNA発現プロファイルの応用
Project/Area Number |
20390342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 一治 Kyoto University, 薬学研究科, 客員教授 (50456836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 豪三 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80172013)
佐藤 史顕 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (20467426)
土屋 創健 京都大学, 薬学研究科, 助教 (80423002)
戸井 雅和 京都大学, 医学研究科, 教授 (10207516)
上野 貴之 京都大学, 医学研究科, 助教 (40452362)
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Keywords | 乳がん / microRNA |
Research Abstract |
本課題の目的は、乳癌の臨床に応用できるマイクロRNA(miR)の探索にある。第2年度の進捗は (1)乳がんのハーセプチン感受性予測に向けた臨床標本からのmiRプロファイル技術の確立。乳がん症例に対するマンモトーム生検標本はその重量が数10mgから数100mgと微小であるので、そのFFPE検体からのmicroRNA発現解析の実現可能性を検討した。抽出されるRNA量は1~3μg/cm2で断片化が進んでいた。このRNAからでもmicroRNA発現解析は、相関係数0.93と高い再現性で実施可能である事が示された。また、以前から行われている末梢血単核球からの解析では臨床応用が困難な為、全血からの解析を試みた。全血RNAを抽出するPAXGene[○!R]システムが導入した。今回、先行研究で得られたPBMC内発現遺伝子と相関性の高い全血内遺伝子を同定したので、これらの遺伝子を中心に解析を進めてゆく。血液遺伝子発現と相関させる抗体依存性細胞障害活性(ADCC)のアッセイ系も確立された。 (2)第1年度に取った乳がん細胞株のmiRプロファイルから、上皮間質形質転換に関わるmiRをスクリーニングした。上皮形質7細胞株、間質形質3細胞株は、クラスター解析で明確に異なるmiRプロファイルを示し、Tテストで有意に変動をしているmiRのリストを得た。間質形質細胞株で発現低下しているmiRには、そのプロモーターのメチル化で不活化されているmiRが含まれ、miRのエピジェネティクス制御が上皮問質形質転換に関わる事が示唆された。
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