2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん診断・治療におけるマイクロRNA発現プロファイルの応用
Project/Area Number |
20390342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 一治 京都大学, 薬学研究科, 客員教授 (50456836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸井 雅和 京都大学, 医学研究科, 教授 (10207516)
辻本 豪三 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80172013)
佐藤 史顕 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (20467426)
上野 貴之 京都大学, 医学研究科, 助教 (40452362)
土屋 創健 京都大学, 薬学研究科, 助教 (80423002)
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Keywords | 乳癌 / マイクロRNA |
Research Abstract |
本課題の目的は、乳癌の臨床に応用できるマイクロRNA(miR)の探索にある。第3年度の進捗は、 (1)乳がんのハーセプチン感受性予測に向け、ハーセプチン暴露により発現誘導されるmiRをマイクロアレイ法により同定した。ハーセプチン暴露により、HER2陽性細胞株で変動しHER2陰性細胞株で発現が変わらないマイクロRNAをリストアップした。その中から、miR-26a、miR-30bに注目し、ハーセプチンの抗腫瘍効果の分子機構に関する役割と臨床応用性を探った。miR-30bは、細胞周期関連分子のサイクリンE2分子を標的にすることで、HER2陽性細胞株SKBR3,BT474の細胞周期をG1期停止に誘導する事が判明した。また、miR-26aは、同様にHER2陽性細胞株の細胞周期をG1期停止し、アポトーシスを誘導することが判明した。miR30b,26aは、ハーセプチン感受性予測や、ハーセプチンの効果を増強させる新規治療法開発に応用できると考えられる。 (2)乳癌上皮間質形質転換に関わるマイクロRNAの探索より、miR200b clusterのエピジェネティクスによる発現抑制が、間質型形質獲得に関与していることが判明した。miR200b/429は、ファイブロネクチンを標的しており、miR200b/429の発現減弱がファイブロネクチンの発現上昇を伴い、間質型形質の細胞高遊走能に関与していることを見出した。miR200b/429は乳癌の転移を抑制する治療法への応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)