2009 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素プレコンディショニングによる骨髄細胞の血管再生能の増強と臨床への展開
| Project/Area Number |
20390345
|
|---|
| Research Institution | Yamaguchi University |
|---|
Principal Investigator |
古谷 彰 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 講師 (90346552)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 公一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60263787)
久保 正幸 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60420519)
|
|---|
| Keywords | 骨髄細胞 / 血管再生 / 低酸素 / プレコンディショニング / 再生医療 / 虚血性疾患 / 加齢 |
|---|
| Research Abstract |
自己骨髄細胞を用いた血管新生治療法は虚血性疾患に対する有用な治療法であるが、一部の患者では本治療法の効果が十分に得られない。我々は、その改善策として移植細胞に対する低酸素培養(低酸素プレコンディショニング)の有用性を示してきたが、健常動物の細胞を用いた検討にとどまっている。加齢や糖尿病下の細胞に対する低酸素培養を行った際に、正常な細胞と同様な治療効果を示すかは不明である。そこで、21年度は、加齢動物の骨髄細胞に対する低酸素培養によって血管再生効果が増強するか否かについて、in vivoでの検討を行った。加齢マウス(20-24ヵ月齢)と対照マウス(3ヵ月齢)の大腿骨から骨髄を採集し、比重遠心法にて骨髄単核球(Fresh群)を単離した。骨髄細胞は10%FBS添加培地に懸濁後、低酸素(2%O2 ; Hypoxia群)または正常酸素(20%O2 ; Normoxia)条件下で培養(33℃、24時間)を行った。加齢マウスを用いて下肢虚血モデルを作製した後、骨髄細胞あるいはPBSをそれぞれ虚血下肢筋肉内に4箇所注入した。治療効果を判定するために、虚血下肢の血流量変化をレーザードップラー法にて測定した(移植14日目)。対照マウスと比較して、加齢マウス由来のFreshおよびNormoxia群を移植したマウスでは、虚血下肢での血流量は有意に低下していた(P<0.05)。一方で、加齢マウス由来のHypoxia群を移植した場合には、加齢マウス由来のFreshおよびNormoxia群と比較して有意に血流量の増加が認められ(P<0.01)、対照マウスのFreshおよびNormoxia群を移植した場合と同程度まで血流量が回復した。以上の結果から、低酸素プレコンディショニングは、加齢動物の骨髄細胞においても細胞移植による血管再生治療の効果を向上させる方法として有用であることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)
