2008 Fiscal Year Annual Research Report
革新的な大動脈瘤診断・治療法の開発:テネイシンCによる分子病態制御機構の解明
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20390348
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
廣江 道昭 Research Institute, International Medical Center of Japan, 循環器科, 部長 (80101872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 壮介 国立国際医療センター(研究所), 戸山病院, 院長 (30118450)
重松 宏 東京医科大学, 医学部, 教授 (40134556)
吉田 恭子 (今中 恭子) 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00242967)
青木 浩樹 久留米大学, 循環器病研究所, 准教授 (60322244)
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 講師 (00322248)
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Keywords | 大動脈瘤 / バイオマーカー / テネイシンC / 炎症 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
細胞外マトリックス分子テネイシンC(TN-C)の病態マーカーとしての有用性を検討するため手術切除により得られたヒト大動脈瘤組織における(TN-C)局所発現を解析したところ、正常径部と最大拡張部ではTN-Cの発現が乏しく、移行部の中膜でTN-Cの発現が顕著であり、TN-Cの発現は病変の進展を反映しうることが示唆された。次に血中TN-Cの大動脈治療の治療効果判定マーカーとしての有用性を検討するために、ステントグラフト(EVAR)治療をうけた腹部大動脈瘤患者の治療前後にTN-Cの血中値を経時的に測定し、瘤径変化とTN-Cの濃度の推移に相関についての解析を開始した。平成20年度にEVAR成功例20例をエントリーした。さらにTN-C発現と病態と詳細に解析するために、マウスで大動脈瘤モデルを作成して検討すると、瘤の形成に伴い血管中膜での、TN-Cの発現を発現が増加し、血中レベルも局所発現を反映して上昇することが確認でき、診断シュミレーションモデルが確立できた。さらに、瘤進展におけるTN-Cの役割を明らかにするため、テネイシンCノックアウトマウスと野生型マウスで大動脈瘤モデルを作成し、比較すると、ノックアウトマウスでは、大動脈瘤発症頻度が優位に高かった。その分子メカニズム解明のために、テネイシンCノックアウトマウスおよび野生型マウス由来の血管平滑筋細胞を培養し、炎症刺激に対する応答についてトランスクリプトーム解析を用いて、テネイシンCで制御される遺伝子群を同定した。
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