2010 Fiscal Year Annual Research Report
移植医療への応用を目指した免疫制御細胞療法の確立に関する研究
Project/Area Number |
20390349
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Research Institution | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
Principal Investigator |
梨井 康 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所・RI管理室, 室長 (60321890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 廣光 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所・共同研究管理室, 室長 (80115477)
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Keywords | 移植・再生医療 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 免疫寛容 / バイオマーカー |
Research Abstract |
本年度の研究は、主にマウス同種異系心臓、肝臓移植拒絶・寛容モデルの解析及び移植後拒絶・寛容予測するバイオマーカーの探索であった。移植寛容モデルとして、B10.BR(H-2K^k)マウスの肝臓をB10.D2(H-2K^d)マウスへ同所性に肝移植を行った自然免疫寛容モデルにて、移植後5、8、14、30、100日目に移植肝、脾臓、リンパ節、血清等サンプルを採取した。一方、移植拒絶モデルとして、同様にB10.BR(H-2K^k)マウスの心臓をB10.D2(H-2K^d)マウスへ異所性に心移植を行った拒絶モデルにて、移植心、脾臓、血清等を採取した。組織はmRNAを精製し、蛍光物質で標識しプローブを作製し、作製したプローブをマイクロアレイにハイブリダイズし、移植心、肝組織、脾臓mRNA発現プロファイルを解析した。肝移植寛容モデルにおいては、30、100日目と移植後早期である5、8、14日目と比べ、数百個の有意に変化した遺伝子を見いだした。その中から統計学的な処理(t-test)を行い、109個(p<0.01)の候補遺伝子を見つけた。心移植拒絶モデルでは、遺伝子発現のパターンは主に移植後5、8日での急性拒絶期では500数個の統計学的に有意に変化した候補遺伝子を見つけ、既存の免疫活性に関わる遺伝子の高発現が認められた。また、肝臓移植モデルの移植後早期(5、8、14日)との相関・相同性についても確認できた。アレイ結果の検証方法として多機能ジーンエクスプレッサーGeXPを試みたGeXPはマルチプレックスRT-PCRアプローチを使い、25遺伝子の発現定量解析を1反応で同時に測定することができ、その発現をさらに定量RT-PCRにて確認を行い、アレイでの結果の相関性の確認が出来た。今後GeXP法による移植後拒絶・寛容を予測できるバイオマーカーの発見、患者に対する免疫抑制療法の軽減や休止の指標として期待したい。さらに、今年度では、Naive B6マウスの脾臓からT細胞を精製分離し、BDF1(B6xDBA)マウスへのリンパ球輸入による急性GvHDモデルも確立でき、今後、免疫細胞療法の実施へと繋げていきたいと考えている。
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Research Products
(11 results)