2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内核外輸送阻害とエピジェネティクス制御を標的とした消化器癌分子治療の開発
Project/Area Number |
20390351
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松原 久裕 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20282486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 泰典 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00375677)
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Keywords | 消化器癌 / 細胞内分子移動 / エピジェネティクス / 分子治療 / micro RNA |
Research Abstract |
遺伝子の導入、細胞内での遺伝子の発現、細胞内での分子移動の制御、遺伝子導入細胞による生体の応答を利用した新たな難治性消化器癌に対する新たな治療を目指している。これまでの単に遺伝子を導入する、単独の分子標的を目的とした薬剤のみでは、ヘテロジェナイティーという特徴をもつ難治性の消化器癌の性質からみるとその治療には限界がある。当研究では、遺伝子を導入する時点から、ピストンのアセチル化脱アセチル化、転写、翻訳され機能するタンパクとして発現し、細胞内を輸送され、さらに分解されるという細胞内でのダイナミックな動き、エピジェネティクスを制御することを目指している。 今回、食道癌細胞からエピジェネティクスの重要な役割を担うmicro RNAをアレイにより解析、食道癌細胞において抑制されているmiR-145,miR-133を見出した。これらのmiRNAを食道癌細胞に導入することにより細胞増殖と癌細胞として特徴的な性質である浸潤能が減弱することを確認した。これらのmiRNAがFSCNを標的としていることを確認しさらに直接同遺伝子の転写領域に作用することを確認した。これらのmiRNA導入により細胞内のFSCN発現が減弱することも確認できた。 また、このFSCNをsiRNAによりノックダウンすることにより食道癌細胞の増殖能、浸潤能ともに減弱した。エピジェネティクスの重要な一員であるmiRNAが抑制的に働き癌遺伝子の発現を減弱させ、癌治療に有用であることが明らかとなった。
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